第215話 余白とか余韻とか…… 🎸



 むかし、仕事の関係者に向けて手書きの通信を創刊したとき、歯に衣着せぬ性質の顧客から「紙面いっぱいに使っているから息が詰まる」と言われました。いまふうに翻訳すると「ダサッ!!」というところでしょうか。たしかに素人の悲しさで、天地の余白も活かさず、書きこみたいだけ書きこんでいましたので、反論なしで。(^▽^;)



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 それから数十年を経て、年下の人から「ねえ、見て見て、これ、わたしが作ったの、Wordの編集機能で」とチラシを見せられ、一瞬、うっと詰まりました。もののみごとに余白がないのです。A4判いっぱいに文字&画像を詰めこんであるうえに、大きな赤いリボンのイラストまで載せてあって、きっちきち感がハンパでなく……。


 仕事時代の営業笑いがいまだに改まらず、どんな場合にも当たり障りのない対応しかできないヨウコさんですが、さすがにひと言も出て来ませんでした。なぜいまこれをわたしに見せるの? 代々の資産家の家付き娘はこれだからねえ。もういいかな、こういう場面につきあうの。生涯で初めて途中退席した所以です。((((oノ´3`)ノ



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 俳句の番組にゲストとして登場したシンガーソングライター・松田ゆう姫さんが、作詞のときの余白&余韻の大切さを語っていらっしゃいましたが、もちろん他の芸術にも通じること。ユーモラスにして屈託のない語り口が物事の感受性は年齢や世代ではないことを如実に示していて、一気に優作さんの忘れ形見のファンになりました。




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