第218話 忘れられないひと 🖼️



 七年前、入門書を一冊読んだだけで、無謀にも、この道ン十年の諸先輩方が上座に居並ぶ句会に参加したヨウコさんがトンデモナイことを仕出かすつど、苦笑しながら俳句の基礎を教えてくださったのはYさんというかなり年下の女性俳人でした。二年前、持病の悪化で急逝されたあとも唯一の師匠として面影を胸にあたためています。



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 月三の句会にも慣れて来た帰路、そのYさんに呼びとめられました「ヨウコさんが採ってくれた句、なぜか主宰(現代俳壇の最高峰の一人)にも採っていただけるの」構成メンバーや投句バランスで決まる句会で高得点獲得の句は、ある意味、凡庸の証しでもあるけれど、一点句は佳いか駄目かの両極端(笑)ということのようでした。


      

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 あれから数えきれない句会を重ねたいまも、自分以外の全員が推してもどうしても佳いと思えない句を前にすると、メガネ越しのYさんの聡明な双眸が懐かしくよみがえります。そして、自分の投句が無点句ばかり(けっこうあります(笑))のときは「わたし、句会で人気がないんだよね」という呟きを思い出したりして。(´艸`*)




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