第161話 やさしい朝 🧦



 雨あがりの午前七時半、カフェに行こうと玄関を出たヨウコさんの視線をなにかがよぎりました。見ると、赤く熟れた南天の実が湿った風にふっさりと揺れています。


 まるで「気をつけて行ってらっしゃいませ」と言ってくれているみたい。かけがえのない家族なんだよね~、小鳥たちのために満を持して(笑)いる小粒ちゃんたち。



      🐕



 登校の小学生がみんなでなにかを覗いていて、つぎの瞬間、ぱっと弾けていっせいに駆け出す。その向うから、水色の合羽を着せられて困り顔の大型犬が歩いて来る。


 床屋さんの💈がぐるぐる空に昇り、向いの畳屋さんがシャッターをガラガラと。

 西山の頂きは厚い雲に覆われているけど、山麓の村では薪ストーブが活躍中かも。



      🧣



 いつものカフェの窓際席にすわって持参の膝掛を腿にのせると、じんわり暖かい。

「ねえねえ、これ、マフラーを手縫いしたの」だれかに話したくなったりして……。


「いつものでよろしいですか?」「ええ、いつもの」小柄なスタッフさん、可愛い。さあてと、ピアノのBGMを聴きながら俳句&散文の下書き&読書とまいりますか。




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