第23話 敗戦記念日のこと 🪰




 一度アップしたら半永久的にそこに居させてくださるカクヨムさんに心からの感謝が尽きないことはもちろんだが、当然ながら過去作は時間と共に埋没の定めにある。


 約530編が在籍しているわたしの場合、コレクションで分類はしているものの、数年前の作品を“発掘”するのは当の書き手にとっても至難の業と化しつつあり……。




      ⛅




 まして読んでくださる方々の目に留まるのは、ほとんど奇跡と言えそうだが、毎年八月に忽然とよみがえる拙作は『積乱雲は見ていた/語り継ぐ戦争』〈全76話〉。


 思えば拙い、そして当時の思いの丈を精いっぱい籠めたこの連作がわたしの執筆の原点と言ってよく、これがあればなにも言わずとも分かっていただけると確信する。




      🌝




 昭和20年(1945)8月15日を太平洋戦争終結の日としたとき、敗戦の語彙をきらう当時の支配層により「終戦記念日」と曖昧な表現が用いられたと承知する。


 ゆえに、季語の敗戦を使う「敗戦記念日」はある意味異端かも知れないが、無力な一市民のせめてもの願い&不戦の未来への譲れない志として静かに掲げつづけたい。




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