第24話 涼夜のモノオモイ 🌌
人間、というかわたし(笑)勝手なもので、サウナの如き猛暑に放りこまれると、ただ暑い暑いと、口を開けば(開かなくても)そればかり呪文のように唱えていた。
それが、はい、よく堪えましたね~、ご褒美のような涼夜を気まぐれにもらうと、慌てて用意した毛布の肌ざわりを楽しみながらも、またしても例のアレが頭を……。
――こんなことでいいのか、自分。((((oノ´3`)ノ
言葉の魔術師・吉野弘さんは、日々を過ごすことは過ちを重ねることと言ったが、まさにまさに、過去の至らない自分&これからも至らないだろう自分に責められる。
詩人はまた「生まれることも死ぬことも人間への何かの遠い復讐かもしれない」、そんな恐ろしい呟きをさらっと書いている。生の至難をさらにさらに……。('ω')
🍋
日々の執筆も、原点の入魂を思えば、こんなところでお茶を濁していていいのか、そりゃあたしかに下手な鉄砲で拙さは薄れて来たかも知れないが、それが、なんだ。
こなれていなくても荒削りのほうが訴えるもの、たしかにある。低空飛行に慣れた小鳥みたいな安穏を貪っていていいのか、しっかり生きなきゃもったいないだろう。
🌻
テレビニュースで観た、一匹(というのも無礼な数え方だが)五万円也の金魚の「く」の字を百三十五度回転させたような、やさしくにこやかな目が浮かんで来る。
自分がそんな高価な値段をつけられて売りに出されているなんて知らぬ存ぜぬで、ただただきれいな水を泳げる歓喜を謳っている、けなげに赤い、提灯みたいな小魚。
たぶん、あれが詩人の言いたい生きるということなんだろう。自分がなにもので、どこから来てどう生きどこへ行こうとしているかいっさい問わないらんちゅう🐟。
🪟
さて、起きますかね。久しぶりにたっぷり眠った脳は、刺激を求めたがっている。
いつもより手早くルーティンを済ませ、さっそくパソコンに向かう自分が見える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます