第10話 手縫いの小袋 🧵
黄色い斜め掛けバッグのなかに、小さな手縫いの小袋が、ぽつんと入っています。
一点豪華(笑)な腕時計を入れておくには十分にすぎる、ハイビスカスの花模様。
ごくささやかなそのことひとつだけで、外出の胸がどれほどやわらぐでしょうか。
百均のビニールケースを使っていたころには望むべくもなかった、人肌の温もり。
仕事時代はそれなりだったバッグの素材も見るからに廉価なキルティングですが、軽くて丈夫で肌ざわりがよく、なにより汚れても押し洗いで新品同様に復活します。
たしか四千円ぐらいだったはずですが、どこへ行くにもそれ一辺倒でして……。
きれいな差色の本体に紺&ベージュのベルトの絶妙なコラボも気に入っています。
👝
デジタルの進化に比例して、どんどんアナログ回帰志向が進むような気がします。
まあ、無理もないですよね~、どこまでも人間はアナログでしかあり得ないので。
戦争と同様に世界の見識を怯えさせている人工知能に、痛覚は存在するのかな~。
ときめきや歓喜、不安や憂いや悲しみ、なにより「義の心」を秘めているのかな。
そんなこと、無力な一市民が心配してもどうしようもないのではありますけれど、うっかり科学が産んでしまった核の独り歩きを止められない現実があります。💦
なんの手も打てず時を過ごした自分世代がいなくなった地球が案じられるのです。
ささやかな手縫いの布袋を愛おしむ人間の感覚、どうかだいじにされますように。
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