第11話 玩具めいたキーボード 💻





 仕事時代、パソコンはただという感覚だった。広い机のかなりのスペースを占める大型のデスクトップはむろん 🍎 で、管理も編集もそれを操作するのが仕事だった。


 リンゴは不機嫌な果実なので(笑)よく故障したが、電話一本ですぐに駆けつけてくれる修理業者の事務所が近くにあったので、いくらでも遠慮なく故障させられた。


 まだボールペン&定規が大方だった時代に試行錯誤しながら我流の操作を学んだ。自然にブラインドタッチになり、集中が高まると強くタップしていたかも知れない。




      📐




 閉業時に引き継いだ経理用ウィンドウズがさすがの寿命となり、家電店で新規購入したノートパソコンのキーボードのディレートキーのトップが三か月で外れた。💦


 たった一個だからすぐに交換できると思いこんで持参すると、なんとキーボードがまるっと駄目、それも別売りの無骨なものにつなぐ必要があると、平然と係が言う。


 え、たった三か月だよ、それも珈琲をこぼしたとかならまだ諦めがつくけど、多少強くタップしたかも知れないブラインドタッチ=ユーザーの使い方のせいだなんて。


 納得できずにそのまま持ち帰り、やむを得ずトップが外れた状態で使っていたが、ついにその下のなにやらプニュッとした小さくてやわらかい樹脂まで外れたらしい。


 指先で押しこめばなんとかなるので、いまのところはそのままだが、この調子ではいつなんどき次のトラブルが発生するかも知れず、修理業者を検索中のヨウコさん。




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