第5話
「ねぇー。ジーク、聞いていいかしら?」
「うん?何?どうかしたか?」
「何で、死の森の真ん中に村を作ろうと思ったの?」
「俺は、元冒険者だったんだけどある事件があって、もう全てが嫌になっちまったんだよ。」
ジークによると、その事件が発端で冒険者でいる事が嫌で人族が近づかない土地に隠居したらしい。
隠居って、もっと歳をとった老人がいうものだと思ってたけど、人族はちがうらしい。
「ジーク、村ってもっと人が住んでる事を言うのだと思ったけど、人族は違うのね!?同じ言葉はあるのに使い方が違うのって面白いわね!」
「ぐはっ!今まで触れないようにしていたのに……」
「えっ!?どうしたの?ジーク!」
「ここは、村だ。きっと……」
「わ、私が悪かったわ!だから、元気?だして!」
村については、聞くのをやめた方がいいのかも知れない。
「ステイは、国に帰らなくていいのか?家族が心配してるんじゃないか?」
「大丈夫よ!落ち着いたら、知らせに戻るから!」
「大丈夫ならいいけど、魔神族って死の森によくくるのか?」
「まさかー!魔神族でも死の森なんかに近寄らないわよ~」
「じゃあ何で、ステイはいたんだ?」
「私にもよくわからないのよね……。このまま、ここにいればいつかきっとわかる日がくると思うわ。」
「そうなのか?それに、俺の友人の魔神族もここで出会ったんだよ!そいつも同じような事を言っていたなぁ。」
あら?似たようなことが、兄にも起こっていたような気がする…。
まさか!!
「ジーク、その魔神族の名前ってもしかして……」
「「ファントス」」
「なんだ~!ステイの知り合いなのか!!ファントスは元気か!」
「ファントスは、私の#兄__・__#よ!元気すぎて困るぐらいよ!」
「そうかー!ファントスにまた会いたいなぁー。アイツも、死の森で死にかけてたんだけど回復魔法をしたらステイみたいに驚いてたなぁ~。やっぱり兄妹だな!」
兄も、あの時に神からのお告げがあって死の森に行っていた。
そこで、ジークに会ったのね。
神様は、ジークに会わせる為に私たち兄妹を死の森に導いたって事?
ジークは、一体何者なのか。
「私、ここがとんでもない程の街になると思うわ!絶対にね!」
「あははは!ただの村だって!」
「きっと、村で済まない程になると思うわよ。」
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