第4話

魔神族は、差別の対象とされていた。

魔力が膨大なのはもちろんの事、圧倒的な武力が原因だ。

何度も、人族とは戦争をしてきた、その度に軽々と蹴散らしてきたのだ。


だが、ある日を境に人族が魔神族を蹴散らすようになった。

原因は、人族が禁忌とされている勇者召喚をしたからである。

そして、人族に負けた魔神族は人族の奴隷にされたりするようになった。


魔神族は人族族との関係を断ち、今までやってきた。

人族は知らなかった。

魔神族は魔力と武力#だけ__・__#が人族以上だと思っている事を。


実は、魔神族は神様の眷属であり神からのお告げを聞いてこれからどんな#罰__・__#が人族を待っているかを。


ある日、ステイは神からのお告げがあった。


〈今すぐに死の森に行くのです〉


ステイは、勢いよくベッドから起き上がり周りの人達にお告げがあったことをいう。

周りの者は、急いで準備をする。

お告げにしたがって、ステイは一人で死の森へとやって来た。


死の森は、魔神族でも油断をすると死んでしまう程の危険な場所だった。


「一体ここに何があるのかしら…。」


ゴクッと唾を呑み込む。


死の森を警戒しながら奥へと進んでいく。

途中、魔物や魔獣に襲われたが、なんとか倒していく。


しかし、体力を使いすぎてしまったせいで、ブラックボアの攻撃を受けてしまった。


うぅー。


「このままじゃ、殺られちゃう。逃げなきゃ……。」


ふら、ふら、っとブラックボアからなんとか逃げる事が出来たが……


「も、もう、無理……私、ここで死ぬのね…。」


そして、気を失った。


「おい!おい!大丈夫か?」


突然、男の声が聞こえてきた。


「うぅ~うん。私は、い、生きてるの?ここは、何処?」


「ここは、俺の村だ。って言っても俺しか住んでないけどな!」


名前を聞くとジークと言っていた。

私の兄が似たような名前の人族と友達になったって言っていたのを思い出す。

その話を聞いた時、人族に騙されているって言ったけど、兄はその人族は唯一信頼できる人族だと言っていた。


そういえば、ブラックボアにやられた傷がキレイに無くなっていた。

何でだろう?と考えていたら、この男は魔神族の私に回復魔法をかけたという。


「魔神族の私に回復魔法をしたの?……何で?」


「えっ?ダメだった?あのままだと死んでたぞ?」


変わった人族もいるものね。魔神族に回復魔法をかけるだなんて。

この男の人は、魔神族が好きだよって笑顔で言っていた。魔神族に友達がいるらしい。その魔神族も変人ね。

でも、この人は信じてもいいような気がする。


村って行ってたし、死の森からは離れてしまったけど、ここに居たいと思ってしまった。


「貴方、1人で住んでるって言ってたけど、ここは何処?」


死の森から離れていたら、もう一度死の森にいかないと……神様からのお告げを聞いた責務があるのだから。


「ここは、#死の森の真ん中__・__#らへんだよ。」


「!!」


聞き間違えをしてしまったみたい。

まさかね。魔神族ですら死の森は危険だからあまり近寄らないのにね。


でも、聞き間違えではなかった。


「いや~ここまで住めるようになるまで、一年半もかかっちゃったよ~。」


思わず、


「貴方、何者?」


って言ってしまった。


「俺は、元冒険者さ!」


絶対に違う!これは、神からのお導きだ!この人と共に居なければならないのだ!と。


「私も、ここに住まわせて!」


言っちゃった……突然、やってきた魔神族を側に置く分けないわよね。


「いいよ!よろしくな!ステイ!」


なんなのー。この笑顔。惚れてまうわー!

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