ゴーシュに紙魚と【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部】

舟々

ゴーシュに紙魚と

おさがりの浴衣が可愛いくてずるい


ポン酢とかくらいしかない冷蔵庫


昨日から同じ所にかたつむり


朝蜘蛛が顔を洗つている流し


紫陽花と一緒に猫が濡れている


詩にさつき死んだばかりのような紙魚


セロ弾きのゴーシュに紙魚とセロテープ


飛石の蟻まるで伊能忠敬


畳から壁へ壁から壁へ蟻


蟻一つぷかんと水にいて静か


点々と靴下靴下すててこ


爺ちやんの脱け殻すててこがぺろん


夜の蝿もうぺたんこの歯磨粉


海月ぽわんぽわんぽわんぽわんぽわん


ふるちんの子ら駆け抜けて涼夜かな


狛犬に肩肘張りて雨蛙


夏蝶に蹴られて軒のシャツ乾く


ペディキュアは空へ薄暑の海を蹴る


向日葵がずつとそつぽを向く鉄路


砂浜が少しポッケに夏の果




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ゴーシュに紙魚と【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部】 舟々 @wasabi1234

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