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日常は、変わらなかった。
可も不可もない。普通。朝の占いも、わたしのところだけちょっといいとか、そんなこともなく。
新たな任務の通信もない。L43aの報告以降、何もなかった。組織から不要だと認識されたのかもしれない。
校舎の屋上。彼はいない。
日々の、小さな、幸せ。わたしの。
彼は、それを願ったのだろうか。あのときの、止血の感覚。彼が動かなくなる、静かな感覚。止めていた、血が。あふれて。
おなかがすいた。
彼がいなくなっても、こうやって普通に日常は続く。
わたしに必要なのは。彼だった。失くしてからしか、気付かないものもある。わたしの願いは、彼との日々だった。他には何もいらない。今まで、わたしが彼と過ごしてきた日々が。わたしの人生のなかで、もっとも楽しい日々だった。今更だけど。
彼のいない屋上。
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