第10話 最強魔法使い誕生
僕はベアタパパにナシル姫のことを伝えた。そして僕が王子であることも。「ジョン、いや、ジョン王子。君は月をいや,このMA をそして宇宙全体を救う魔法使いかもしれない。」僕はなんとなくだが責任の重さを感じた。正直僕はそういう正義感の強い王子でも何もない。多分王族だが普通の精神の普通人だ。確かに次期国王かもしれないが、”それは僕では、なくても。”と正直思う。確かに王や大臣たちのようにテーブルだけの議論の役立たずのゲスたちとはもちろん違うが、今は自分の血を流してして何かを成し遂げようとは思わない。ただ単純にナシル姫は救いたいとは思う。イルは、あの時、僕の記憶が曖昧なことをいいことに”愛する人を救うために君は、僕をイルを呼んだんだぞ。君はMAの星より愛する人を救うことを選んだんだ。”と言っていたがあれはイルの罠だ。”くそ―あの悪魔め。”まんまとイルの言葉にのせられてMAに戻ってきたが僕は宇宙を背負うつもりはない。僕なんかに背負えるわけがない。ただ、ナシル姫は幼い。まだ6歳だ。ふんべつのつく年でもない。ただのいつもの夏休みで、隣の星、このMAに遊びに来ているに過ぎない。それに2日後のMAの夏祭りを楽しみしている。花火大会を楽しみに。月では酸素濃度がMAより薄いため大きくて高い花火は、見ることができない。近くの星の星人たちも事情は同じで、MAのお祭りを楽しみにしている。“ビッグイベントだ。”そんな楽しい中、大人の陰謀に、たとえ月の王族姫だからと子供を巻き込んではいけない。月の征服など僕には興味がない。僕は僕に言いきかせた。”僕には正義感はない。”ただ普通に自分の思うままに行動しているだけだ。”ただこの空間では多分僕は正しい判断はできない。空間を変えたい。時間がほしい。「イル。」メタルスライムのイルが目の前に現れた。ベアタ、ベアタパパは、驚いた。ベアタが「君は誰?」「僕はイル。さっき、君のパパが話していた悪魔さ。」そう挨拶するとイルは、美少年の姿に変身した。ベアタ、ベアタパパは、ハモって「えっ!」「ところでジョン、僕を呼んだ?」「あー、呼んだとも。この悪魔め。まあ、そんなことは、どうでもいい。僕は空間を移動したい。地球に戻り考えを整理したい。夏祭りまではあと2日ある。ナシル姫がさらわれるまで、まだ時間がある。イル、空間移動できるよな。」なぜか僕は強きにでた。イルは左目をピクピク動かし「できるよ。やりますよ。」と僕の命令に服従した。僕らの会話を聞いて2人は、あっけにとらわれていたが、ベアタパパは、冷静だ。僕に「ジョン君が戻ってくるまでに剣を仕上げておくよ。石を選んでくれ。いや待った。ジョン、ここに立ってくれ。」僕は石たちの真中に立たされた。店に入った時の目を引いた青い光が突然、強い光を放ちだした。「これだ。間違いない。」ベアタパパが青い石を取り、「ジョン、君が戻って来るまでにこの石で聖剣を作っておくよ。宇宙最強の魔法使い様のためにね。」僕はドキドキしながらも「お願いします。」と言ってしまった。心の中で僕は”あー、またやってしまった。調子に乗ってしまった。”僕なんかに魔法の聖剣なんか扱えるのか?宇宙最強の言葉にちょっと惹かれた。僕の悪い癖だ。”あー、僕はどうしてこんなにグタグタなのか。イルが目の前に来て、「ジョン、今更何を言っているんだ。いくらMAの星の王子だからって完全なわけがないよ。それこそ、マンガの主人公じゃあるまいし。普通でいいんだよ。いつもの自分のことをまず一番に考える身勝手なジョンでいいと思うよ。王子、頑張なくていい。普通で。普通で。それに図星かもしれないけどジョン、君の決断力のためにちゃんと考えたいと地球に戻りたいって言ってたけど、どうせジョン、いつもの”逃げ”だろう。僕の目は誤魔化しが、きかないよ。でもそれでいいと思うよ。全宇宙なんて背負えない。それでいい。」僕は、すべてこのイルに見透かされているようで嫌だったが、一方で、僕の心の中の弱くてダメな部分の“良い理解者”だとも認識した。「じゃ、イル頼む。僕を地球に戻してくれ。」「わかった。」イルが魔法の呪文らしきものを唱え始めた。僕はベアタとベアタパパにお礼を言った。「ありがとうございました。次会えることを楽しみにしています。じゃあ。」僕は大きな光の渦に包まれていった。グルグルグル「ドッスン。」僕はしりもち着いた。遅れて「ドッスン。」ベアタがしりもちをついた。
「えっー!ベアタ。」ベアタは、にっこり笑って「ついてきちゃった。」ベアタは、2023年の地球の、この時に、時空空間移動してしまった。「ベアターーー。」ベアタは、僕にしかられてるにも全く気にしている様子はなく。屋上の僕のベランダから異世界、地球の夜景をうれしそうに眺めている。さて、どうしたものか。ベアタは、にっこり微笑んで「ジョン、ここが地球ね。とてもきれいな星ね。」
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