第9話 王都と魔道具店

ビリビリビリ、光のゲートが開く。ワープ完了。僕とベアタは王都へ到着。ベアタが「私はパパのお店に直行するけど、ジョンはどうする?」僕は急ぎ王宮に向かいナシル姫を救わなくてはと思ったが、人質として実際さらわれるのは、2日後だ。王都のお祭りの日だ。今は“まだ”だ。僕はベアタのママの『魔道具には月の石を使っている』の言葉に惹かれていた。ナシル姫からも月の石のチカラについて聞いていた。破壊力は相当大きなものだ。それに不思議な力を宿すパワーストーンがあり、この石のチカラは宇宙をも支配できるほどだと言う。“この石を使った剣は時空も空間もあらゆるものを切れると言う。月に伝わる剣。”まさか?“は思うが、「ベアタ、僕も君のパパのお店に一緒に行くよ。ムーンライト!」王都を歩いた。いつもは王宮で過ごしていたからほとんど来たことがなかった。小さなお店が、ずらり見る物、食べ物どれも僕にとっては珍しく楽しかった。ベアタが「ジョン、着いたわよ。ここが、私の自慢のパパのお店よ。」チリンチリン。ベルが鳴る。お店の中には剣や魔道具がいっぱい。それに光る石。たくさんの石がある。僕は一つの青く光る石に目が惹かれた。「パパ、はい、これママからの月からの材料よ。」「ありがとう。ベアタ。重かっただろう。」「いいえ。今日はジョンが持ってくれたから。」「ジョン?」ベアタのパパは明らかに怪しがっている。あっ、しまった今着ているMAの服はベアタのパパの服だった。しまったー。ここは早く印象良くしないと。「こんにちは、ジョンです。」「ジョン?ジョンは、どうして僕の服をきているのかな?」僕はあわてて「これは、川に落ちてしまい。」僕の話を遮るようにベアタが「ベアタのせいでジョンは川に落ちたの。私のせいで、ジョンは川で流されてしまったの。」えっ、ベアタそれは盛りすぎーと思いながら。ベアタのパパは「ジョン。すまなかったね。ベアタのせいで命を無くすところだったんだね。すまなかった。」僕はベアタを横目でちらちら見ながら「あー、だいじょうぶです。」と両手を広げてベアタのパパに伝えた。「ところでジョン、お詫びと言っては、なんなんだが僕はこうみえて王都一番の魔道具士なんだよ。良かったら君に僕の魔道具をプレゼントしようと思うがどうかね。気にいったものはあるかな。」どれも高そうで、立派な魔道具って感じで僕は「いいです。結構です。」と断った。なぜなら僕はMAのこの世界では王族だ。王族は魔道具なしで魔法が使える。ベアタと出会ったときに落ちた川も実は流されそうになっていたのを魔法で岸まで移動した。あの時はまだ記憶が曖昧だったけど、昨日、イルにお願いして記憶がすべて戻った今は、どんな魔法でも今の僕は使える。だから魔道具は必要ない。「ベアタのパパ、ありがとうございます。しかし、魔道具は僕には必要ありません。大丈夫です。」ベアタのパパの目が光る「ジョン、左手を出して」僕は左手は広げて見せた。ベアタパパはメタルの小石を僕の手のひらにのせた。「ジョン、そのまま手を閉じて。」スーッと音がして僕の手の中のメタルの小石が消えた。僕は思わず「ごめんなさい。石、消えちゃいました。」ベアタパパは驚いて。「ジョン、君は魔法は使えるね?」「はい。」「それも、最強の魔法を。」「はい。」ベアタが「パパどういうこと?」「このメタル石は月の石さ。それも最強の石さ。それをジョンは一瞬で体内に取り入れたんだ。消えたわけじゃない。もしかして君がベアタが言っていた、宇宙最強の魔法使いかも?」ベアタが「ねえ、パパ何を独り言ってるの?」ベアタパパはベアタに返事はせず、僕に「ジョン、君は月の星人と会ったことはあるかい?」「はい。ベアタのママ。」「いや、違う、思いだしてくれ。正直に話してくれ。」「ジョン、これはとても大事なことなんだ。」ベアタが「パパどういうこと?」「これは月の星人に伝わる言い伝えだ。ママから聞いた話だ。時が切れば僕のこの店の月の石。”魔石で作った剣”を持つことのでき少年が現れると。言い伝えはこうだ。”宇宙が混沌とし。戦いの渦に巻き込まれる。始まりの時、その少年は現れると。7・7天の川に願いをかけ悪魔を連れてその少年は現れる。時を超え軸を越えて現れると。”ジョン、本当のことを言ってくれ。君は誰だ。」

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