第7話 MAの田舎町

僕はMAの家庭の食卓についた。MAでの記憶の食卓はマンガの中のお城の長いテーブルに料理が運ばれて来ていた。とても静かだった気がする。ベアタの食卓は、どちらかと言うと地球の家に近い。しかし、この時代、電気やガスは、さすがにないよな。2000年前だと煙突もあったし、薪?か?「ベアタ、ジョン、料理を運んで。」ベアタのママの声がキッチンから聞こえた。僕は、思うわず声を上げた。キッチンには、ガスも電気もなく、お鍋に手をかざして光を放ち料理していた。「ベアタ、あれは、何?魔法?ガスや電気はつかわないの?」「ジョン、魔法も何も知らないのね。」ベアタが「手をかざして温めたり料理するの当たり前よ。」記憶が曖昧の僕は、魔法の力さえ思い出せない。よく見るとベアタのママの手の指先から光と一緒に電磁波も出ていた。2000年前の時代だからと僕は現代の生活と比べてもっと原始的だと思っていたが、違った。“勝手の僕の思い込みだ。”決めつけは良くない。アポロ宇宙船の時と同じだ。あの月面の映像が現代地球人に刻まれた。それと同じで、古代は原始的だと脳に刻まれてしまっている。邪馬台国の映像のせいだ。考古学者を攻撃するつもりはないが、結局実際見ていないから説得力に欠ける。確かに人骨や恐竜の骨、竪穴式の住居跡、貝塚に残された品から考古学者は、想像するしかない。だからそれが現実とかけ離れていたとしても彼らに罪はない。そして今僕はその2000年前の世界MAにいる。ベアタが「ジョン、ぼーとしないで手伝って。」急かされる。よく見ると部屋の灯りがいつのまにかついている。「あれは?」太陽エネルギーで変換して暗くなると自動で着くのよ。便利でしょう。」「そうだね。」『まるで現代のエコエネルギーそのものだ。」ベアタのママが「部屋の温度を快適にして。」独り言を言うと部屋の中にさわやかな風が吹いた。まるでAIの言葉認証と同じだ。2000年前は、イルが言っていたようにMAは、高度文明の星だった。

僕は本当にこの星の王子だったのか?記憶よ。早く完全に戻ってくれ。そして僕はベアタ宅で夕食をいただいた。パンにご飯にスープ。チキンに卵料理。野菜も現代と変わりない。デザートのフルーツもある。ただ一つだけ、違うとすれば、砂糖、砂糖がない。この星、MAではサトウキビもテンサイも残念なことに育たない。ご飯のメニューは変わらないが、イチゴのったケーキもリンゴのたっぷりアップパイも甘いデザートはない。ケーキの存在を女子のベアタもベアタママも知らない。砂糖の甘さを知らないことは、とてもかわいそうなことだ。僕も特に甘いものがなくても平気だけどシロップたっぷりのパンケーキが食べれないのは残念だ。もし、僕が、地球にワープで帰還できたらベアタたちに必ずイチゴのケーキに、アップルパイをごちそうしようと思った。僕は脳にインプットした。ベアタのママのご飯はどれもおいしかった。短い時間だったが、僕はMAの家庭を堪能できた。「ごちそうさま。おいしかったです。ありがとうございました。」ベアタのママが「それはよかったわ。今晩は、ゆっくり休んでね。」「はい。おやすみなさい。」ベアタも「おやすみ、ジョン。明日ね。」「おやすみ。」僕の部屋は2階の大きな窓がある部屋だった。ベットに横たわり窓から外の星を見る。星の配列が現代の地球と少し違う。月は現代と同じだが、太陽が大小見える。星の配列も少し違うかな。さそり座もしっぽの星がないな。”流れ星は見えないかな。”思った瞬間、星が流れた。「イル。」スーッと気が遠くなり、僕はそのまま眠ってしまった。





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