第3話 二千年の戦争

イルは、久々の仕事だからと張り切っているようだ。それに僕さえ知らない地球の宝を20%よこせ。と強気の発言。さて、大人の僕はどうしたものか?と言いながら僕も7.6に誕生日を迎えたばかりの20歳の大学生。彼女なし。誕生日も自分で自分を祝うためのhappy birthdayのとりあえずのビール。一口目の”冷たい。苦い。まずい。二口目のしみる。ホップ。茶色の味。麦茶の3千倍濃ゆいやつ。3口目の”目の前のイル。流れ星に乗って僕に呼ばれてきたコメタ星人?”あー、やっぱり初ビールで僕は”酔っている”んだ。もう少し夜風にあたろーと。「酔ってないよ。現実だよ。」「イル、僕は今脳内整理中って言ったよな。少し一人にさせてくれ。脳内侵入反対。」「OK」イルはあっさり引き下がり椅子に座り、「では僕も仕事を」といって体はメタルスライムに変わり体の中からPCらしきものを取り出し、何かを打ち込んでいる。「カチャカチャカチャ」姿はメタルスライム。銀色に光る物体が仕事をしている?「あー、だめだ。笑える。」僕は意外と調整能力が高いようで。「イル。理解した。君と,この現実をすべて受け入れよう。さて、何からすればいいのか。イル教えてくれ。あ、ちょっと待った。その前にイル、この地球にはイルみたいに別の星から来ている星人はいるの?」「いるよ。でも待ってくれ、本部に報告書を打ち込んでいる。データー処理に少し時間がかかる。」「イル、君は、コメタ星人で僕らよりかなり文明も科学も発達しているのに、”報告書”なんてまるで僕らの地球人と変わらないじゃないか。」「そうだよ。当たり前だ。何を用いてそう、決めつけているんだ。もしかしたら、MAの滅亡後にこの地球に来てた外の星人って結構海賊系の星人?だったか、今の地球よりは、少しだけ科学が進んだ、未発展の星人が来ていたのかな。”報告書”責務任務は明白にしなくてはいけない。これは、コメタ星では当たり前だ。」「へーえ、なんか親近感わくなー。」イルは「カチャカチャカチャ」と打ち込んで「はい送信。完了。」僕はこの光景がおかしすぎて、「イルすまない。やっぱり笑える。マンガ以上だな。」僕は笑いながらイルに言った。イルは、いたって真面目な声で「さっきの続きだが、言ったように外の世界、宇宙は、かなり広い。正直、僕ですら、端の星まで行ったことはないよ。いけないよ。」「なぜ行けないんだ?」「地球的に言えば空の星の世界、宇宙は広がり続けている。コメタ星の科学力を使っても、その広がりの速さに追いつけることはできない。」「でも、イル、君は時間も空間も自由に移動できるんだろう。」「そうだ、しかし、無理だ。」「どうして?説明するのは難しいな。」イルは少し考えて、「例えば、一本の帯がるとしよう。これを宇宙に見立てる。帯の縦軸を時間しよう。同じ時間軸の中にいくつもの異世界がある。僕はもちろん時間軸を越えて、例えばこの地球に今と、行こうと思えば2000年前にMAと呼ばれていた時の地球には移動はできる。2000年前のジョン君とも会える。連れていける。しかしその時間は同時に別の時間と空間が外向きに時を刻んで広がり続けている。そうだな、例えばこの地球でさえ、今この時、7.7午後22:58という時間はこの地点の僕らと、見えない世界の境界線によっていくつもの空間が広がっている。地球のこの地点でさえ100いや1000もっとだ。億単位に空間が広がっている。」僕はあまりピンとこなかったがイルの言っていることは、なんとなくイメージできた。「それにジョン、聞いたことないか、たまに記憶を無くして行方不明のまま突然見つかった人の話。」「あるよね。」「そうだ、あれは、この地球では神隠しや別次元に行ってしまったとか、あとよく言う、亡くなった後のこと。もちろん消滅というのもある。無だ。しかしそれとは別で天国があったり、地獄があったり、川が流れていて、わたると戻れないみたいな景色。この地球でさえ場所は違うけど、そんな話、たくさんあるよね。」「あるね。」「それは、本当にあるんだ。次元が違う空間が幾千、億、数えきれないくらいにね。それもそれは僕ら以外の外の宇宙にいる多種多様な生命体が関わっている。それぞれが各空間を支配していて、その空間ごとに次元を持っているからね。この帯状の宇宙の端までなんて到底いけないよ。」「ふーん。そんなものか。まあ。僕にしてみたら外の星のことは関係ないけどね。」「ジョン、それはひどいな僕が知恵を絞ってできるだけ簡単にわかりやすく、この宇宙空間を君に説明してあげたのに。」「わるい。わるい。ごめん、イル。」「それで、イル教えてくれないか。2000前MAの時代僕はそこにいたんだろう。僕は何を守ろうとしていたのかを教えてくれ。それにイルの話だとMAは滅んでいるんだよな。その時に亡くなった僕が”なぜ今”ここにいて、イルを呼んだのか知りたい。」「そうだな、ジョン。君は2000年前に滅んだMAと、一緒に亡くなってはいないよ。タイムトラベル。ジョン、君は時を越えて今ここに存在する。」「僕は2000年前の僕?」「ジョン、まずはその話を始めるか。」僕は脳内にビリビリっと軽い電磁波を感じた。イルはメタルスライムからいつの間にか人間の少年の姿に変わり話しだした。「あれは2000年前の7・7 天空の天の川から始まった。あの日もジョン、君は夜空を見上げ”僕を呼んだんだ。」そう言えば僕は、小さいころから夏のこの、七夕7.7は気持ちが、ざわついていた。前日が僕の誕生日だったせいもあるけど。特に天体に興味はなかったが、いつも何かに駆り立てらて夜空を見上げていた。”僕のざわき”今、その原因がつかめそうだ。

「イル、話してくれ。」

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