第2話 JAXAをフライパンへ
まずはお手持ちのJAXAを用意します。だいたい、冷蔵庫にいます。それか霊安室。夏によく採れるJAXAですが、安いからといって買いだめしてしまうと、こうして徐々に萎びていってしまうのです。JAXAは買ったらなるべく早めに食べるのがおすすめです。そんなことは分かっているので、さっさと次の行程に進みましょう。
JAXAを千切りにします。よく種子島や相模原の部分を捨ててしまう方がいますが、実はJAXAはまるごと食べられるのです。種の部分も食べられると知ってからは、ぼくは食べていますが、お好みで切り取っても構いません。それとシラスを用意して、胡麻油で炒めます。シラスがジャコになり、JAXAも充分に火が通ったら、あとは醤油で味付けをして、完成です。上に鰹節をかけても美味しいです。醤油ではなくめんつゆでも構いません。
本当のことをいえばJAXAでなくともNASAでも構わないし、シラスではなく最初からちりめんじゃこを使ってもさほど変わりはないのです。こうして一つ一つの食材すべてに代替品があるとするならば、レシピとはいったいなんなのでしょうか。カレーを作るつもりが、代替品を揃えてしまったことによって、シチューになったりはしないでしょうか。わたしはそのことを考えています。少し恐ろしくもなります。
夏だからでしょうか。
夏には怪談がつきものですから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます