第8話弁当の事なんて関係ねぇーし。

 五月六日には宿題をやって、ゴールデンウィークが終わった。ゴールデンウィークの終わった子供達はまた、学童生活が始まった。

 そこには早葉は居なかった。この頃になるとサーフィンの練習をしているからだ。後はいつものメンバーといつもの光景があった。しかし、今日は何やら起こりそう。


「渚ちゃん。相談があるの聞いてくれる。あのねー。遠足の時のお弁当の事があってから奏太君と佳輔君が遊ばなくなっちゃったの。私のせいなのかなあ。私があの時に我慢すれば良かったのかなあ。私が悪いんなら、どうすれば良いんだろう。ねぇ。渚ちゃん。教えて」


 絵里香は深刻そうな顔で言った。


「お弁当の事は奏太君が悪かったんだから、絵里香ちゃんが気にする事は無いと思うよ。奏太君が心配なんだね。どうにかして上げたいよね。結愛ちゃんに相談して見ようね」


 渚が答えて結愛の所へ連れて行く。結愛に相談した二人。結愛は奏太の元へ行った。駈と新葉の所で遊んでいた奏太。そこへ絵里香を連れて、結愛と渚が来た事に驚く奏太。


「奏太君。この頃、佳輔君達と一緒に遊んで無いでしょ。前には良く佳輔君と遊んでた見たいじゃ無いの。どうしてこの頃、一緒に遊ばなくなっちゃったのかな。何かあったの。絵里香ちゃんがあの弁当の時の事が原因じゃないかって心配してるのよ。如何なの」


 結愛は姿勢を低くして、奏太の目の高さに合わせ、優しい口調で聞いた。


「弁当の事なんて関係ねぇーし。これは僕と佳輔の問題なんだ。ほっといてくれよ。あんな奴と遊ば無くてもいいんだ」


 膨れっ面で奏太は言う。


「随分と投げ槍に言うのね」


 結愛が返した。


「だって、あっちが悪いんだ。一緒に遊んでくれなくなったのは佳輔の方だよ。僕にどうしろって言うんだよ」


 奏太はキレまくって居た。一方、佳輔の方では二人で遊んでいるのを悠人と海斗が見守って居た。悠人達もどうすればいいのか手をこまねいて居た。勿論佳輔達にも言い分があるからだ。佳輔達の言い分としては自分勝手過ぎると言う物だった。


 しかし、結愛はそれだけでは無く、本当の理由があるのではないかと考えていた。解決策が見つからぬまま、舞台は運動会の練習へと移って行った。

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