第7話貝料理と子供の日
「あっ出た。どんどん出て来る。今度はこっち。あっちも掘ろう」
新葉は言いながら、夢中で貝を掘って居た。
ママと水葉。音葉は喜んで探して掘って居た。時間を忘れて掘っているうちに制限時間が来てしまった。
「さあ、皆さん時間です。上がって来て下さい」
のアナウンスが流れた。家族も集まった。ずしりと重そうな貝の袋を下げて大地と岩爺は戻って来た。
「ほれ、大量じゃわい」
言って岩爺が取ったあさりを見せた。
「お爺ちゃん。貝さん一杯だね」
音葉が言った。最後は勘定を済ませて終わりだ。家族は車に乗り込み、自宅へ向かった。
「あー今日は楽しかったー。貝さんも一杯取れたねー」
音葉は車に揺られながら言った。自宅に帰ってからは貝料理尽であった事だ。
五月五日。
子供の日の今日。食卓の上では祝うが鯉幟などの飾り物は昨年一年生になった事で今年からは飾らないからだ。
子供の日は久しぶりに同級生の皆んなと過ごした。新葉は家に帰って来てからは兄弟の部屋で早葉と柏餅を食べて居た。
「お兄ちゃん。誰かに会った。例えばオリンピックの選手とかさ」
新葉は聞くと、
「ああ。今日は会ってないけど、入賞した選手から昨日は教えて貰ったぞ!」
早葉は真っ赤になって今にも眠ってしまいそうな充血した目を見開き、柏餅を飲み込んでから言った。
「お兄ちゃん。目が真っ赤」
新葉は早葉の目を見て気になった。
「眠みーい」
「ご飯よ。降りて来て」
ママの声。
「ハーイ」
と、新葉が早葉と下に降りて行く。テーブルの上には五目飯、吸物、漬物、焼魚、竹の子の煮物、あさりのバター焼きが並べられて居た。
「おー飯、飯、腹減ったー」
言って、早葉はガツガツ食べ始めた。
「お兄ちゃん。喉につっかえるよ。もっと、落ち着いて食べてよ」
新葉は少し、心配して言った。
「早葉。お前、目が真っ赤だな。眠いだろう。早く寝ろよ」
パパがお兄ちゃんを心配する。
「本当に。真っ赤だよ」
姉妹が同時に言った。早葉は手で顔を覆った。
「さあ、食べよう。食べよう。お腹すいたよね」
新葉が逸らす様に言った。食べ終わると菖蒲湯に入り、直ぐに寝た。
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