第5話仲良くやりなさいよ。

「別に笑ったって良いじゃ無いか。面白かったから笑っただけなんだから」


 奏太はすっかり開き直って居る。


「謝れよ」


 大地が厳しく責める。


「絵里香ちゃん。ショックで泣いちゃったのよ」


 渚が言った。


「謝った方がいいよ。奏太君」


 新葉は謝る事を勧める。


「謝るんだ。奏太君」


 そばで聞いて居た駈も言い出した。


「謝れ」


 と、新一年生である同級生にも言われ、


「分かったよ。謝るよ。謝ればいいんだろう。ごめん。絵里香ちゃん」


 奏太は絵里香に謝った。


「これで居んだろう」


 奏太は悔しそうに二年生に言い放った。


「絵里香ちゃん。これで良いよね」 


 渚が優しく言って、絵里香をシートに座らせた。


「うん。有難う渚ちゃん」


 絵里香は嬉しそうに言った。


「反省しろよ」


「仲良くやりなさいよ」


 とか、言いながら二年生はその場から去って行った。

 元の場所に戻って来た一行は残った弁当を食べた。


「全く、今度の新一年生はお騒がせよね。それに比べて私達は本当に平和よね。喧嘩一つしないものね」


 海咲はつくづくの様に言った。


「うん。そうだね。喧嘩もしないね僕達」


 新葉は言って、改めてそう感じた。その後は何事も無く、時間が来るまで楽しく過ごした。それから、一・二年生だけはバスで先に帰った。その後、三年生以上の生徒は徒歩で帰った事は言うまでもあるまい。


 次の日、学童では渚は三年生の女子達と、新葉は駈と三年生の男子達と遊ぶ様になって居た。新葉は駈達と遊ぶ中、一年生の事が気になって居た。ふと、一年生の方に目を向けると、奏太が一人で遊んでいたのだ。気にはなる物の。特に何かしようとは思わなかった新葉は駈と夢中でボール遊びをして居た。


「駈君。僕もやりたい。入れて」


 と、奏太がやって来て一緒の参加を望んだ。


「えっ。良いよ。一緒にやろう」


 駈は目を見開き、一瞬躊躇するも直ぐに受け入れた。新葉も不感を感じながらも一緒にボール遊びをして、この日は遊んだ。佳輔と虎乃介と二人で遊んでいるも、その周りには悠人。結愛。早葉。海斗が居て、心配そうに眺めるのを感じて居た。

 毎日の様にそんな日が続いた。

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