第97話前の学校の出来事。
「グループ名も決まった事だし、自己紹介がてら、前居た学校の出来事を教えてよ。私達の学校でも災害が起きたけど、そっちは壊滅的だったって聞いたけどそうなの?」
陽奈ちゃんは聞いてくる。
「うん。あの辺は壊滅的だったんだ。今思い出しても恐いよ。最初は雨が段々強く降ってきて、その時、僕達は学校にいたんだけど、学校にどんどん濁流が傾れ込んで来たんだ。僕達は屋上に逃げて助かったけど、屋上では雷の中、土砂降りだったから死ぬほど寒かったよ。実際僕の場合その中で意識不明だったんだ。皆んなのお陰で命が助かったよ。一夜過ごすのは命懸けだったんだ。皆んなが助かったのも奇跡の様な物なんだ。最悪だったんだ。もう二度とあんな思いはしたく無い」
新葉はあった事を話して聞かせた。
「僕が怖かったのは階段で上がっている時、濁流に足を取られて流されそうになった時、先生が助けてくれなかったら、助からなかったんだ。とても怖かった記憶があります」
大地君は思い出しながら、嫌な思い出を話した。
「私も大地君と同じ様に足を取られた時、とても怖かったです。けれども新葉君が意識を失った時は皆んな助からないんじゃないかって思って怖かったです」
渚ちゃんも怖いけど喋った。
「僕は濁流よりも早く上に上がったけど、上がってからの時間が長く感じたよ。ガタガタ揺れるし、雨水がピチャピチャ襲って来る。冬の一番寒い時期の氷の様に冷たい雨が一晩中降って来てこれは皆んなで死ぬんだと思ったよ。死ぬ程の寒さだったんだ」
駈は話すのも辛そうだった。
「私はもう渚ちゃんや皆んなと会えないんじゃないかととても怖かったわ。皆んなに会えた時はもう安心したのを覚えているわ。皆んなと一緒なら何があっても怖く無いって思ったの。死ぬかも知れないのに何故かホッとしてしまったのよ」
海咲が気持ちを語った。
「ごめんなさい。聞いてしまって悪かったわ」
陽奈は興味本位で聞いてしまった事を心から後悔した様だ。
「大丈夫」
新葉達はそれを受け止めた。
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