第95話友達は多くてもいいんじゃないかな!
海咲ちゃんと渚ちゃんとで陽奈ちゃんを迎えに来た様だ。これで一安心と思いきやそうでは無かった。
「私は友達と会ってただけよ。新葉君とその仲間と友達になったのよ。悪い」
陽奈ちゃんは当たり前の様にサラッと言った。
「新葉君。これは一体どう言う事」
怒り口調で海咲ちゃんは聞いて来る。
「ヒィぃ〜〜」
いつもは大人しく偶に怖〜い海咲ちゃん。
「そうなの?⁇⁈ 新葉君」
渚ちゃんに聞かれた日には生きた心地がしない。言わないでどうか。祈る気持ちの新葉。
「ほら、早く。私達友達になったって言って新葉君」
陽奈ちゃんが言って急かす。皆んなは僕の言動に注目している。
「友達は多い方が良いんじゃないかな!」
新葉はどっちが正解なのかわからないままこの口を開いた。渚ちゃんは落胆している様にも見える寂しそうな笑顔をしている。
「ほらねー。だから言ったでしょう。友達だって」
陽奈は当然だと言う様な昂った顔をしている。
「新葉君がそう言うんならそうなんでしょうね」
海咲は敗北の眼差しで新葉を見る。新葉は心が痛かった。陽奈は一人勝ちをしている様だった。
「まあ、友達多い方がいんじゃ無い」
と、大地君が助け立ちしてくれた。
「陽奈ちゃんは明るい子なんだ。男子からも人気がある。友達になって貰おう!」
と、言って朝陽君も助け立ちしてくれた。
「ほらね。皆んながそう言っているんだから、間違い無いでしょう。私達は今日から友達よ皆んなよろしくね」
陽奈ちゃんは言う。本来なら渚ちゃんと友達になるなら僕も友達に加わりたい所だった筈だ。大地君目当てで無ければ喜ばしい所だ。でも、仕方が無い。大地君は女の子から人気者だ。多かれ少なかれ大地君に好意を持つ女性は多い。これは宿命みたいな物だ。良しとしよう。
「分かったわ。今日から私達は友達ね」
海咲は何か吹っ切れた様に受け入れた。渚は海咲に肘で合図を送る。海咲は負ける訳が無いとばかりに余裕の笑顔を見せる。渚は悟った様に口を開いた。
「陽奈ちゃん。よろしくね‼︎」
渚ちゃんはとびっきりの笑顔を見せた。こうして僕達はこのメンバーで友達になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます