第91話嘘つき。
「陽奈ちゃん。そうなの。大地君が目当てで私と友達になろうと言ったの」
渚は言って疑問を陽奈にぶつけた。
「何よ。紹介してくれないの。友達だって約束したじゃ無い。友達だって嘘付いたの。それとも渚は大地君の事が好きなの。そうなんでしょ。だから、可愛い私に取られたくなくて紹介してくれないんでしょ」
陽奈は言ってイラついていた。
「やっぱり、大地君目当てだったのね。渚ちゃん。こんな子の言う事聞く事無いわ」
言って海咲は御立腹だった。
「うん」
渚はショックを受けていた。
「友達だと言ったのに嘘付き」
陽奈は悪態を付いてその場から離れて行く。ショックを受けた渚は新葉の元へと向かう。新葉達同級生三人でいる所に渚が来たのだ。
「ねぇ。新葉君。私嘘つきじゃないよね。目的の為に友達になるとかそんなの友達でも何でもないよね」
渚は新葉に言いに来た。新葉は唐突に言われ、何の事かわからない。表情を読み取り、頭の中で考え理解をしようとするもさっぱり分からなかった。新葉には女の子の事は分からない生き物なのだ。しかし、頭の中の事とは別に、
「渚ちゃんは嘘付く子じゃ無いよ。僕はそんな事知ってるよ」
新葉は口にしていた。言おうと思って言ったと言うよりはほとんど反射的な物だった。言った後もさっぱり分からずにいたのだ。
「新葉君。私嘘付きじゃないって陽奈ちゃんに言って」
渚ちゃんは僕に言った。
「へ。え〜。いやいやいやいや」
言ってやっと新葉は自分の置かれている状況を理解した。
「いや。あのねー。渚ちゃんこう言う事は僕には向いて無いと言うか。自分で言った方が良いんじゃないかと」
言って新葉は申し訳無さそうにお断りした。
「どうして言ってくれないの新葉君」
渚は言い出した。着いて来た海咲も加勢して、
「渚ちゃんが頼んでいるんだから聞いてあげて男の子でしょ」
言ったのだ。新葉は頭を抱えてしまった。こんな時はどうすればいいのか。正解がわからない。だけど、渚ちゃんが困っている事は確かだ。協力はしたいと思う。
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