第11話スマホの後悔
「それが連絡が取れた所もあったが残念な事にお前の所にも連絡したんだがまだ、連絡が取れて無い。繋がら無いんだ。海斗の所にもな連絡したんだが繋がら無い。今、繋がり難くなって居るんだ。連絡している最中にプツッと切れることもあったんだ。けど、避難して居る人も沢山いて無事だと聞いて居る。だから、お前の所だって、きっと無事だ。そう信じるしか無いだろう」
先生は早葉を説得する。
「オレが連絡する。スマホを貸してくれ」
手を差し出し 早葉は先生にスマホを要求する。
「それは出来無い。貸してはやりたいがオレが泥水に浸かった時、スマホがダメになった。壊れたんだ。だから、無理だ」
先生は言って、首を横に振った。 早葉はがっかりした。やるせ無い気持ちが怒りに変わった。 早葉はその怒りを持ったままツカツカ歩き始めた。
「新葉。お前がオレのスマホを壊して無かったら連絡が出来たんだよ。どうしてくれるんだよー」
込み上げて来る感情を全てを吐き出す様にそのエネルギーを怒りを打つける様に怒ち怒鳴った。新葉は退いた。今までに見た事の無い威圧感で見下ろす 早葉。半開きで睨み付けて来る瞳。高圧的で蔑んだ様な形相で怒りをぶつけて来たのだ。新葉は恐怖に身震いした程だ。泣きべそを書く程のショックを受けた。
「ヒック。ヒック。ごめんなさいお兄ちゃん。ヒック」
新葉はただただ謝るしか無かった。
「ちょっと。 早葉止めなよ。新葉君にあたってどうすんのよ。弟でしょ。新葉君にあたっても意味無いでしょ」
今にも掴み掛かりそうになる 早葉を止める結愛。
「んなの。分かってんだよ。オレだって分かってるんだよ。新葉に当たったってしょうがない事くらい。オレにだって分かってるんだよ。けど、オレはどうにかなりそうなんだよ。心配でたまら無いんだ。音葉の声が聞きたい。爺ちゃんや婆ちゃんの声が聞きたいんだ。家族の声が聞きたいんだよ。海斗の海斗の声だって、聞きたいんだよ。耐えられ無いんだ」
言って、結愛の両肩に手の平を当てていた手の平から力が抜け落ちぶら下がる様に膝から崩れて行った。 早葉は絶望的な顔をしていた。
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