第37話 楽しかった!

「それって、魔法の効果を高めるの?」


「そうよ」


「『相手の魔力を奪う』って効果だけで過剰なのに、チートだね!」


 現在、やよちゃんのガントレット、『桜』を触りながら話してる。触れてるから、今もぐんぐん魔力を吸われてるよ。


「……普通に、ふみの方がチートなんだけど」


 やよちゃんにそう言われて、首を傾げる。確かに、強い自信はあるけど…チートかな?


「そう?」


「そう。ま、世界最強のダンジョンをソロ攻略してるから当たり前か」


「あ、そういえばそっか」


 すっかり忘れてた。言われてみれば、確かにそうだね。


「ほら、もう見えてきたからここらで終わりね」


 桜を仕舞いながら、そう言うやよちゃん。


「ん、もう戻ってきたんだ」


 言われて、ぱって前を見たら結界に守られたアリスちゃんの姿が見えた。

 あれー?こんなに近かったっけ?


「あ、おかえり!」


「ただいまアリスちゃん!」


 何かを書いてたアリスちゃんが、それを見た目以上に入るマジックバックにしまった。


「じゃ、帰ろーか!」

「報告書は私が書いたから大丈夫だよ!」

「ありがと、アリス」


 アリスちゃんを守っておく為に張っていた結界を解除して、三人で横に並んで歩いてく。

 やー、楽しかったなぁー!!




 地上に帰って、特異化イレギュラーの事を報告したらランクが一つ上がった。私はSランクに、やよちゃんは特級に。

 次の日の朝には、世界的大ニュースになってた。世界最速Sランクと、新たな特級が日本に現れた、って。




————————————————————

どうも作者です。とりあえず、第三章終わりです。

四章は、ここから1、2ヶ月経った後から始めるので、第四章が始まるまでの事を書いておきます。


 師走三月で合計20人になった特級攻略者。日本では三人目であるこの人は、攻略者ギルド本部に呼ばれた。特級とは、通常、最高ランクとしてあるSランクですら収まらないと判断された時に与えられる、称号。

 そんな特級は、公共交通機関完全無料、宿泊費七割引きなど、かなりの高待遇だが、同時に、かなりの税を取られるし、義務もある。その説明で呼ばれていた。

 税を取られると言っても、Sランク攻略者でも苦にならないくらいなので、特に問題はない。

 その説明が会った次の日、主人公に『義務きらい!』と愚痴っていたりする。


 世界最速でSランクとなった主人公は、特に変わりなく過ごしていた。咲達、スターズに祝われた以外は、特に変わったことはなかった。

 そうやって自由に配信したりしていたら、攻略者ギルドから、魔法に関することの動画を作って欲しいと頼まれた。

 内容として、『魔法の使い方』『魔法スキルの習得の仕方』『全属性の特徴の解説』の四個。

 了承した主人公は頼まれた分意外にも、『ダンジョン攻略で注意すべき点』『罠の見分け方』など、攻略者に必要な知識の動画を一週間後に本部に送った。

 これにより攻略者全体のレベルが短期間でも見るからに上がり、近々、新たな特級になるのでは、と噂されている。




こんな感じです。第四章は、大きな事件が起きるかも?楽しみです。

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