第29話 仲良しこよし!

 依頼の内容と、ダンジョンに潜る時のいろんなことの打ち合わせをして、気がついたら1時間くらいが経ってた。


「じゃあ、3日後に『富士の樹海』の下層まで行って、やることやったら帰る、ってことで大丈夫?」


「うん、それで大丈夫!三月!」


 『やること』っていうのは、アリスちゃんの用事の事。なんか、ダンジョンの植物がどーのこーので、よくわかんないけど重要なものらしい。


「じゃあ、今日はいったん、解散で、また三日後?」


「ええっ!?もうお別れ!?」


 話は終わったから、解散か提案したら、ずっと私(触手)に抱き着いてたアリスちゃんが悲痛そうに叫んだ。


「一時間くらい抱き着いてるでしょ…」

「まだ一時間だよ?!三月!!」

「えっと…」

「ほら、ふみ困ってるでしょ」


 ぷるぷる震えて、涙目で私に訴えてくるアリスちゃん。

 うう…こんな美少女にこんな顔されたら、謎の罪悪感が…


「お、お茶する?」

「いいの!?する!」


「ふみ?」


「いや、だってなんか可哀そうで…」


「はあ…仕方ない…」


 そう言って、どこかに電話をするやよちゃん。やよちゃんの話してる内容を聞くと、どこかの予約を取ってるみたい。


「よし、じゃあ行くよ」


「どこにいくの?」


「ここ」


 やよちゃんがスマホで見せてくれた画像は、すごく高そうなお店の写真だ。何でここなんだろ?


「かなり高いけど、個室があるからね。そんなの出したまま普通のお店に入るわけにはいかないでしょ?」


「なるほど、確かに」


 有名人になったとは言え、道行く人全員知ってるわけじゃないし、知ってても実際に見ると…ってこともあるしね。


「…ん?今思ったけど、なんで三月は自然にナナの考えることがわかるの?なんでナナはそれを当然のようにしてるの?」


「仲がいいから」

「気が付いたらこうだったよ」


「わお!これがてえてえか…!」


 なぜか、嬉し涙を流してるアリスちゃん。

 なんで?


「ほら、そんなことより早く行こ」


「うん、そうだね。あ、でも触手どうしよう」


 外で出してるわけにはいかないからなぁ。


「少しの間アリスが我慢すれば良いの。どうせ後で困るくらい触れられるんだし」


「わ、わかった!私我慢する!」


「じゃあ、出発!」



 この後、4時間くらいお店でお茶して、アリスちゃんと凄く仲良くなった気がする!




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こんにちは作者です。

それなりに遅くなりました。なかなか出てこないもので、ひとまずできて安心です。

これからもよろしくお願いします。

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