第21話 お買い物!
魔石の凄さに驚愕が止まらないこの三日間。
一週間で稼いだ分を二時間で超えたんだよね。数えた時びっくりしたよ。
「よっし!咲ちゃんを頼ろう!!」
生活で必要なものは揃った!けど配信のための物の知識が一切ないから聞いちゃおう!
「忙しいだろうに、ありがとう咲ちゃん」
「全然大丈夫ですよ!名無しさんのお誘いより優先順位が高いものなんてありません!」
咲ちゃんは可愛いなぁ…
今いるのはおっきいデパートだ。エレベーターに入って攻略者向けのお店が多い3階に向かう。その途中で、咲ちゃんがある程度絞っておきましょう!って提案してきた。もちろん、なんの知識もないからいいよ!って言ったよ。
「名無しさんは、どんなカメラが欲しいとかありますか?」
「んー、頑丈で、何があっても綺麗に写せるカメラ、かなぁ」
「わかりました!じゃあ、視点はどうしますか?」
「客観的な方がいいかな」
「なるほど…あ、着きましたね!」
「ほんとだ、咲ちゃんと話してると楽しくって時間が早く過ぎるね」
「えへへ、私もです名無しさん!」
まったく…咲ちゃんは私を落としてどうするつもりなの?かわいい…
目的のお店、『安心安全のカメラ屋さん』通称『AAC』は、名前の通りカメラのお店なんだけど、ただのカメラだけじゃなくて、ダンジョン配信用のカメラも扱ってる大企業だ。なんでも、ダンジョン内の記録用のカメラを10台用意して欲しいっていう依頼が来て、作ったカメラが頑丈なドローンカメラ。それを使った攻略者全員が大絶賛。ダンジョンでも使えるカメラを製作して一般でも売り出し始め、そのカメラを使った世界初のダンジョン攻略配信が始まった事がきっかけで中小企業から大きく飛躍したらしい。
「これとこれと、後これがおすすめです!」
咲ちゃんが3つ、カメラを持って来てくれた。全部ドローンのカメラなんだけど、一つ目は、丸くて大きなレンズが一つ付いてる一番使われているノーマル型。二つ目は妖精をモチーフにした造形のファンタジー型。三つ目は形は一つ目みたいな丸なんだけど、触ってみると強い弾性があって軽い、1番のおすすめらしいガチ勢専用型。
「咲ちゃん達のは、この丸いやつだよね?」
ノーマル型に指を差しながら聞く。
「はい!これが一番安いですし、私たちじゃまだこれが壊れるくらい激しい所で配信する余裕なんてないですし。逆に言うと、名無しさんならやっぱりこれがいいと思います!」
そう言いながら、三つ目のガチ勢専用型を持ち上げる。
「うー…ん、これにしようかな?」
どうせなら、一番高いの買いたい。高いってことはその分性能がいいってことだろうし。
「うん、これにするよ!」
「じゃあ、会計に行きましょう!」
お値段はなんと、八千万円でした。最新機器で歴代で群を抜いて頑丈らしい。
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