第20話 かい!!!!けつ!!!!

「ダメだ…ダメだぞぉ私ぃ…食べるなよぉ…食べるな…あ」


 魔石また食べちゃった…


 配信しようと思った日から一週間が経った。どうせだし、一番性能がいい機材にしようと思ってお金を稼いでるんだけども、いまだに難しそう。魔石をすぐに食べちゃうのが、いけないんだ。

 どうやって持って帰ろうかな…


「んー…あ、触手に《収納ストレージ》付けたら、食べる前に行けるかな?」


 《収納ストレージ》を付けた触手は、それで触れた物を異空間にしまう様になる。

 《収納ストレージ》は半径5メートル以内のものをしまったり、中のものを自由に出せる神聖魔法だ。


「お、ちょうどいいところにジェネラルオークだ。《鎌鼬》」


 並のモンスターだと反応できないほどの速さで切り裂く風により、ジェネラルオークは崩れ落ちた。


「よし、《付与エンチャント:収納ストレージ》」


 触手を一本出して、それに《付与エンチャント》をする。無属性魔法の《付与エンチャント》は、色んな物や生物に魔法をくっつける魔法。かなり便利で、それなりに使ってる。

 《収納ストレージ》を付けた触手で、野球ボールくらいのジェネラルオークの魔石に触れる。


「よし!食べずに回収できた!!じゃ、このダンジョン攻略してかーえろ」


 ほんとは完全攻略するつもりはなかったけど、今の私は有頂天なのだ!

 あ、今いるダンジョンは《第402号洞窟型ダンジョン》だよ。ここは、そこそこな強さのダンジョンなのだ。

 えっと、どのくらいって言うと…攻略者ランクみたいなの、確か、危険度だっけ?がBのダンジョン。攻略者ランクがF〜Sで、それに似て危険度がF〜S、例外でEXだった、はず。

 ちなみに日本の危険度EXダンジョンは《第207号環境変化型ダンジョン》と《第1号洞窟型ダンジョン》の2つある。他の国は、無いか、一個二個くらい。日本は面積に対してダンジョンが多いんだよね。


「おー、これがヒュドラかー。映像で見るより、意外と可愛げがあるね」


 このダンジョンのボスは、ヒュドラ。猛毒とバカみたいな再生力、そしてゴキブリかって思うほどの生命力のある、厄介かつ面倒なモンスターだ。倒し方は、持久戦で時間を掛けまくって削り切るか、再生が間に合わないほどの連撃か、一瞬で消し炭にすることだ。私は、消し炭にできるからそれをするよ。


『ギャアアアァァァ!!!』


「毒は効かないよ」


 九の首から、毒を吐き出すけど、私は避けない。避ける必要がないからね。


「《大噴火》」

『グギャアアアアアアア!!!!!』


 ヒュドラの足元から、上に向かって大爆発が起きて、溶岩が吹き出した。大地魔法《大噴火》は、モンスターや床を爆発と溶岩で破壊する魔法だ。火炎魔法と間違えられたりするけど、大地魔法だよ。


「はい、おわり」


 溶岩が噴き終えると、そこにはヒュドラはおらず、大きな牙と透き通った紫の魔石が落ちていた。


「よし、帰ろう」


 今日の稼ぎは、いつもの何十倍だぞぉー!

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