第15話 平和だにゃあ
攻略者免許証をもらって、取り敢えず保管してた素材とかを換金して、咲ちゃんに案内してもらってインターネット環境を得た。今は咲ちゃん達のお家にお邪魔してる。私の地上に出れたお祝いがしたいからって招待された。
「ほへぇ…今ってダンジョン配信なんて流行ってるんだぁ」
命懸けって言うのは、古今東西、娯楽なんだな。
「咲ちゃんって配信ってしてるの?」
「一応、ちょこちょこしてますよ」
「チャンネルの名前教えて!」
「パーティ名のままで、スターズです」
スターズ…っと。あ、あった!
「咲ちゃんたち人気じゃん!凄いね」
登録者120万人超えてるじゃん!
「えへへ、ありがとうございます!」
嬉しそうに笑う咲ちゃんは、国宝級の輝きだ。かわいい。
「名無しさんは、配信ってしますか?」
「んー…やらない、かなぁ?するとしても、もう少し地上になれたらだね」
「40年でしたもんね…じゃあ、私達の配信はどうです?」
「お邪魔しても良いの?」
「全然大丈夫です!」
「なら、お邪魔しちゃおうかな」
経験は積んだ方がいいって誰かが言ってたし。
「なんの話してるんだ?」
エプロン姿の拓君が部屋に入ってくる。
「配信の話してたの。拓は?」
「準備できたから呼びに来たんだ」
拓君と元君が料理をしてた。
拓君と元君、家庭的だねぇ。
「なるほど。じゃあ名無しさん、行きましょうか!」
「そうだね」
「そんな期待せんでくださいね?」
「気持ちだけでも充分だから大丈夫だよ」
もう、その感情だけで美味しいよ。
リビングに行くと大きな机の上を埋めるほどの料理があった。
「よし、じゃあいただきます!」
「「「いただきます(!)」」」
よくある、パーティとかで見るものばっかりで美味しそうだ。
「ん!美味しい!」
骨付きの鶏とかピザとか、卵焼きなんかもあって、どれも美味しい。
「そんなに美味しそうに食べてもらえて嬉しいですよ」
元君が笑顔で言う。元君、君バレンタインになるとクラスの女子から消費しきれない量を貰ってるでしょ?
「いつもより美味しいじゃん」
「そりゃお前、名無しさんに雑な味付けで出すわけないだろ」
「私は雑でも良いって?」
「うん」
3人の仲の良い会話は、美味しいご飯がより美味しく感じるスパイスになるよね。
「平和だねぇ…」
あ、唐揚げにレモンかけよ。もちろん自分のだけだよ?
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