第5話 すごく大事なことに気がついた

 私が不形定まらぬカタチになった階層から50階降りた所にいる。

 気がついたらここにいたけど…今どのくらいだったんだろ?

 あ、ちなみに今のステータスはこんな感じ。


—ステータス——————————————

名前 なし

種族 不形定まらぬカタチ

レベル 1357

技術 《変形カタチツクリ

————————————————————


 すごくとんとん拍子にレベルが上がっていった。多分、魔法を覚えるために一回受けた後に倒してを、全属性分やったからだと思う。

 ちなみに、魔法は全部完璧に使えるようになった。その中で、闇属性魔法と聖属性魔法が進化して、深淵魔法と神聖魔法になった。多分、適性があったんだろうと思う。じゃなきゃおかしいもんね。今は、他の属性も進化するように頑張ってるところ。あと《変形カタチツクリ》と魔法との連携も。


(さぁて、開けるかぁ)


 10の節目、つまりボス部屋。わたしはその扉の前にいる。さぁ、開戦だ。


「ガァァァァァァァァァ!!」


 扉を開けた向こうには、単眼の筋骨隆々の巨人がいた。サイクロプスだ。


(注意すべきは棍棒の殴打と、眼から出る高火力の光線)


 防御力は意外とないけど、代わりに弱点という弱点がない。けどまぁ、死ぬまで叩けば勝てる。


(ふぅ…しゅうちゅう…)


 直径10センチの触手を10本出して、それを一つに束ねる。それをギュッと固めると、10本の触手が直径100センチの1本になる。普通に出すよりこっちの方が硬くて強いからこうする。まあ集中しなきゃできないから、実践じゃ使い物にならないんだけど。太い触手を携えて、ボス部屋に入る。

 サイクロプスがもってる棍棒を叩き付けようとしてくるから、その棍棒に向けて触手を叩きつけ返す。触手と棍棒がぶつかり合って、棍棒が砕け散った。サイクロプスがふらつく。

 触手を刃のようにして、それに無属性魔法を使って硬くする。


(おりゃぁぁぁぁ!)


 サイクロプスの隙をついて、首を狙う。あっさりとサイクロプスの首が飛んでいった。


(うーん、労力に見合ってないなぁ。これなら普通に太い触手を出した方が楽だな)


 サイクロプスの魔石を吸収して、出てきた宝箱を開ける。


(またたくさん魔石が入ってる…)


 ここまでずっと宝箱の中身が魔石だったから、そろそろ飽きてきた。

 そりゃさ?剣とか盾とか防具とか出てきても何の役にも立たないけどさ?もっとランダム性があっても良くない?まあ良いけどさ…

 何回も魔石吸収を繰り返したおかげで、大量の魔石も一瞬で吸収し終えるようになった。ずっとうざったいと思ってたからかなり嬉しい。


(さて、次層へ行こう)


 階段を降りると、草原が広がっていた。


(え。ということはここって下層?)


 ダンジョンは、洞窟型と自然型、環境変化型があって、このダンジョンは環境変化型らしい。洞窟型と自然型は、1階層から最後までずっと同じ環境だ。だけど、環境変化型は、上層は迷宮、中層は洞窟、下層は野原や林、森などの自然、最下層は1階層ごとにマグマ地帯、氷雪地帯、密林、洞窟など、さまざまな環境に変化する。

 で。今出たところは草原。さっきまで洞窟だったことを考えると、このダンジョンは環境変化型で、下層。半分過ぎたってこと。


(あ、スライムだ)


 いろんな色をしたスライムが一団となってる。群れだろう。


「ピラ、ピラピラ」


(んぁ!?声?)


 びっくりした…スライム達の方から声が聞こえたけど……


(あ、そうだ。下層より下のスライムって声出すんだった)


 いや、どうやって出してるの?

 …………すごく気になる。い、いや、別に好奇心だけで知ろうとしてるんじゃないよ?あれがあれば人とコミュニケーションできるじゃん?だから、ほら、やっぱ外に出てもコミュニケーションできなきゃ討伐対象になるし?必要だし?………あ、姿をまず変えなきゃいけない………れんしゅうしよ………

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