9.カクヨム甲子園がゴールじゃない!
カクヨム甲子園の受賞以降、執筆を辞めてしまった過去の受賞者は存在するという。それも複数人。
さて、雨虹みかんはどうだろうか。
今回のエッセイでは、私が受賞後に生み出した作品と応募したコンテストについて話そうと思う。
◇
私が受賞後にも続けたのは、小説、短歌・俳句。そして受賞後に始めたのはエッセイだ。
まずは受賞後に書いた小説について解説する。
1つ目は『綿菓子みたいな私たち』だ。この作品は私の卒業制作である。私は文芸部ではなかったから何かに提出するために書いたわけではないし、だからといって何か小説賞に応募したわけではない。当時の私が書けるすべてを高校卒業する前に書きたかったという理由で執筆した物語である。私は今まで自分の小説で綺麗な感情しか描写してこなかった。受賞作の『文房具コーナーから始まる文通』もそうだ。一歩踏み込んだような物語を書いたことがなかった。私は『文房具コーナーから始まる文通』が気に入ってるにもかかわらず、その作品だけで雨虹みかんを判断されるのは嫌だった。過去の作品に執着し続けたくなかった。
受賞作を超える作品を書きたい。
そんな想いを抱き、この物語を書くことに決めた。それは、大学の補欠合格の通知を待っていた受験期真っ盛りのときのことであった。
この物語を書くにあたって影響を受けた作品がある。それは綿矢りさの『ひらいて』だ。私は高3のときにこの物語を読んで衝撃を受けた。こんなにも女の子のドロドロした部分を赤裸々に描いていることに驚いた。私も恐れずに、正直に、このような描写をしたいと思った、また、連作短編という形式は重松清の作品に影響されている。私は重松清作品の影響で連作短編が好きになった。
私はこの作品は受賞作を越せたと思う。少なくとも成長はできていると感じる。きっと今回のエッセイを読んでくれているあなたは今までのエッセイも読んでくれたのだろうと思う。もしかしたらこのエッセイ集をきっかけに『文房具コーナーから始まる文通』を読んでくれたかもしれない。ここまで読んでくれてありがとう。ぜひ『綿菓子みたいな私たち』でカクヨム甲子園から成長した雨虹みかんを見てほしい。
次に書いたのは、『音楽室の窓から君に 〜ホルンに乗せて「届け、私のキモチ」〜』だ。これは、今年の6月に「カドカワ読書タイム短編児童小説コンテスト」に応募した作品である。これがカクヨム甲子園の後に応募した初めての公募だ。これも『綿菓子みたいな私たち』のように受賞作とはかなり雰囲気が異なっている。私はこの公募をきっかけに、今まで書いたことのなかった甘々王道恋愛小説にチャレンジした。それは、応募を締め切る3日前のことだった。私は締切3日前に応募要項を読み、この物語を1日で執筆した。今までのエッセイを読んだことのある人は気づき始めているかもしれないが、私は1日で物語を書き終えてしまうことが多い。1度書き始めると止まらないのだ。ちなみに今は非公開にしている『うさぎとココア』は確か夜12:00頃に執筆を始めて、朝4:00頃に書き終えた。
公募の結果がどうなるかは分からないが、カクヨム甲子園で筆を折らずに、新たなコンクールに応募したことは良かったと思う。応募したことにきっと価値がある(実はエブリスタの妄想コンテストにも参加しました!)。
次は短歌・俳句。
元々連載していた『雨と虹とみかんと』をカクヨム甲子園後にも続けた。そして「カクヨム短歌俳句コンテスト」が開催されたため、今まで書き溜めた歌を応募した。このコンテストが開催されることは予想外で、今まで書き続けていて良かったと思った。
最後にエッセイ。
私は『雨虹みかんの日記帳』と、この『カクヨム甲子園は私の青春でした』をカクヨム甲子園後に連載し始めた。元々日記を書いていたため私にとってエッセイという形式は合っているように感じられた。これからも続ける予定だ。
◇
このような感じでカクヨム甲子園後にも様々な創作を続けている。先程紹介しなかったが作詞も続けている。
私はこう思っているからだ。
カクヨム甲子園がゴールじゃない、と。
私は大学生のうちに何か文学にまつわる賞をとることを目標にしている。
今回のエッセイではこれからカクヨム甲子園に挑戦する人にとって有益になるような話題は出せなかったかもしれない。しかし伝えたいのは「カクヨム甲子園が全てじゃない」ということ。受賞してもしなくても、カクヨム甲子園がゴールじゃない。そう思っていた方がいいかもね。
バスに揺られながらエッセイを書いていたら酔ってしまったので、今回はここでおしまい。
※『雨虹みかんの日記帳』の『制作秘話〜綿菓子みたいな私たち〜』より加筆修正したものを含む。
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