5.作家仲間との出会い

 私がカクヨム甲子園に出場、そして受賞をして一番良かったと思うことは、多くの作家仲間ができたことだ。





 受賞者とその作品が発表された12月23日のtwitterのタイムラインは、カクヨム甲子園関連のもので埋め尽くされた。他の受賞者の受賞報告のツイートが流れてくると私はリプを送った。また、私のツイートにリプしてくれる人もいた。そうやって少しずつ同年代の物書きとの交流が始まった。

 

 その数日後、『文房具コーナーから始まる文通』に見たことのない名前の人から応援を頂いたのだが、この応援のハートが私の人生を動かすきっかけになるとは、この時はまだ思ってもいなかった。応援をくれたのは、『初デート前レター』という作品でカクヨム甲子園2022ショートストーリー部門大賞を受賞した三嶋悠希だったのだ。


『初デート前レター』の作者名を覚えていなかった私は三嶋悠希って誰だ? とプロフに飛んで驚愕した。


「うええ! 大賞の人じゃん! やば!」


 私も彼の作品を読むしかない! と思い、読んでみることにした。

 鳥肌が立った。圧巻だった。


「これは大賞になるわ!」


 私はうんうんと納得した。


「感想を送りたいけど、上手く書けない……。応援のハートと星だけ送っておこう……」


 そしてTwitterを開き、もしTwitterやってたらラッキーだな、くらいの気持ちで「三嶋悠希」と検索をしてみた。

 すると、「三嶋悠希」と書かれたフォロー1人、フォロワー1人の怪しげな鍵アカウントが出てきた。プロフには「高校最後の夏にカクヨム甲子園を知り、挑戦することにしました……が、かつて受賞された方々の作品を拝読し、脱帽しました。感動するあまり涙が止まりません。」と書かれていた。長いっ。

 本人、だよな……? と若干疑いながら、私はダメ元でフォローリクエストを送ってみた。すると彼は承認してくれてフォローが返ってきた。

 そしてその数日後、朝起きると三嶋悠希からDMが来ていた。時間を見ると、深夜2時前に送られていたみたいだった。遅いっ。

 そのDMが長文で、そのDMをコピペしてメモ帳に貼り付けてみたら909文字だった。カクヨム甲子園の規定の文字数をしっかりと超えている。ショートストーリー部門に出せそうだ。

 909文字はで構成されていたのは、私の受賞作『文房具コーナーから始まる文通』の感想だった。こんなに私の作品に丁寧に感想を書いてくれたことがとても嬉しくて、誰かに話したくて、とりあえず母に自慢した。

 そしてその日の夜に、「良ければ今スペースでも開いて話しません?」と突然スペースのお誘いが来た。私は少し驚きながらも承諾し、スペースをすることにした(今その時のDMを見ているのだが、なぜか私は「短時間でもいいですか?」という塩対応をしていた)。


 これをきっかけに私は悠希くんとDMやスペースで話すようになり、LINEを交換してからはLINEでよく話すようになった。その受賞者の輪はだんだんと広がっていった。私と同じくショートストーリー部門で奨励賞を受賞した葉羽ちゃんと3人で話すこともよくあった。

 私は3月に東京で行われるという授賞式がとてもとても楽しみだった。

 それなのに、まさかコロナの影響でオンライン開催になってしまうなんて……。

 オンライン開催が決定し、がっかりしていたところに現れたのが、そう、ロングストーリー部門で奨励賞を受賞した緑山陽咲という救世主だった。

 

(つづく)



※『雨虹みかんの日記帳』の『三嶋悠希について』より加筆修正

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