第5話 夏イベ

「お待たせ。この服?可愛いっしょ。猫耳パーカー。肩のとことかシースルーになってて、涼しそうでしょ?」


「アンタの私服はラフな感じだね。いいじゃん似合ってる」

//SE 数回鐘の音


「始まったみたい。銃の用意はいい?」

//SE 銃を構える音


「絶対に生き残ろうね。背中は任せたから」


「さっそく敵発見!よーく狙って......撃つ!」

//SE 水風船がはじけるような音


「やった!拳銃でもちゃんと強いじゃん」


「時間が経つにつれて、だんだん敵が強くなっていくみたい。今のうちに逃げ道とか立てこもれそうな場所確認しておこう」


//SE 水たまりの上を歩くような音


「あのビルとかどう?頑丈そうだし」


「あー、確かに。上に追い詰められていったら逃げ場なくなっちゃうか」


「見て!あれ駄菓子屋じゃない?漫画で見たやつだ~。入ってみようよ」好奇心


「おっきい瓶にお菓子がいっぱい入ってる。可愛い~!壁に貼ってあるのは写真?これも売り物なのかな」

//くすりと笑う


「なにこれ~。くたびれ背広うさぎだって。ちょっとかわいいかも」


「こういうレトロなお店って今でもやってるところあるのかな。一度本物の駄菓子屋さんで買い物してみたいな......」


//缶にぶつかる


「なんでこれだけ蓋閉じてるんだろう。うりゃっ」

//缶を開ける音


「お菓子じゃない。弾丸が入ってる。なるほどね。こうやって街を探索しながら物資補給できるってことか」


//道路に出る 水音


「道路の水、水位上がってない?だんだん身動きとりづらくなるのかも」少し不安


//SE 水がはじけるような音

「わっ!なに!?」


「敵がいたんだ。全然気づかなかった。ありがと」


//SE 歩く音

「結構残り時間減ってきたんじゃない?確認してみるね......あと10分だよ。いけるいける!」


「サバゲー好きなの、って?うーん。嫌いじゃないけど、今日はグッズ目当て。このイベントで貰えるパンダぬいが欲しいの」


「限定衣装でめちゃくちゃ可愛いんだよ!生き残った人から抽選で選ばれるんだって」


「私一人じゃ生き残れないからさ、アンタに協力をっ」//急に引っ張られる


「へ?どっどうしたの急に。大きな声を出すな?なんで。それより近すぎ......!」//すごく動揺


「敵?......あ」


//息をのむ

「......まじで?アレってあれだよね。生物で習ったやつ」


「それそれ。アノマロカリス。冗談でしょ。あんな大きいの倒せない」


「あっ。見つかった人が噛まれて消えちゃった......いやいや何このホラー要素。聞いてないんだけど」


「やばいこっち来る」


//SE 強く抱きしめる音

//SE 心臓の音


//SE 風の音


「......行った?」


「ふー。あんなのが本当にいたとかヤバすぎ。......それで、私はいつまで抱きしめられていればいい?」//余裕な感じ

//ばっと体を離す


「そんなに怖かったの?かわい~!」//からかう感じ


「えっ私もビビってた?違うし。シャツを掴んでたのは、アンタが動いてバレないようにするためだから」//言い訳する感じ

 

「早く移動するよ。あの化け物から距離とらないと」



//SE 水が破裂する音


「この辺は弱い敵ばっかりで安全だね。今生きてるプレイヤーは何人だろ。アノマロカリスにボコられてないといいな」


「プレイヤーが減った方が、抽選当たる確率上がるって?あ、確かに。でも私みたいにグッズ欲しくて参加してる人もいるかもじゃん?」


「ぱんだ好きとしては、みんなにチャンスがあった方がいいって思うかな」


//SE 水が流れる音

「ひゃっなに!?水が一気に上がってる!」


「もしかして......残り時間!」

//SE 携帯の画面に爪が当たる音


「残り3分!運営ガチすぎるって!」


「どうしよ、どんどん水が上がってくる。走りづらい」


「え......」呆然とした感じ

//SE 悲しげなオルゴールの音

//SE 遠くでビルが倒壊する音


「......向こうでビル壊してるのって、サメ?大きすぎない?」呆然


「わっ!」

//手を取って走り出す

//SE 水をばしゃばしゃ蹴る音


「こっち来てる!この距離で気づいてんの!?」//焦る


「どうしよ、水が太ももまで上がっちゃった。このままじゃ追い付かれる」


「えっ、何で手離すの。おいてかないで!」


「違う?アンタ何する気......路面電車で逃げる?まじで言ってんの?あっ、ちょっと!」


//SE 乗り込む音


//SE 操縦席でいじる音

「まさか、操縦できるの?博物館で覚えた、ってそんな奴いる?アンタほんと......」//呆れ


「で、動かせそうなの?電車ごと丸のみされるとか、私やだからね」


「凄い!ほんとに動いた!これなら逃げられる......っにゃあああ!」//後ろを見て絶叫


「いる!すぐそこまで来てるの!やだやだやだ!」


「ごめんなさいごめんなさい!今だけは訴えないで!セクハラじゃないもん!」


//シャツを掴んで額ぐりぐり


//SE 水しぶきの音



//SE 穏やかな音楽

「この音......逃げ切ったの?」//顔を上げる 服と髪が擦れる音


「は~。怖かった......サメとゾンビはまじで無理。あとアノマロカリスも無理になった」


「なに笑ってんの?」//ちょっと怒る


「次はアンタが怖がる所に連れて行ってやるんだから。覚悟しておいてね」


「それと......今日はありがと」//恥ずかしそうに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る