第4話 化学実験

「先生遅いなー。すぐ戻るって言ったのに何してんだろ」


「はあ、先生いないと実験の続きできないんだけど。暇すぎ」


「そうだ!コーヒー淹れよう!」//勢いよく立ち上がる感じ

//SE 理科室の椅子の足が床に擦れる音


「一度やってみたかったんだよねー。ビーカーでコーヒー淹れるの」


「教師が居ないのに実験しちゃダメ?これは実験じゃないもん、料理みたいなものじゃん?」


//歩く音

「それにほら、先生の持ってきた実験材料にあるこれ。この瓶の中身って、コーヒーだよね?」

//SE コルクを抜いて、すんと匂いを嗅ぐ音


「この匂い、やっぱそうだ。これが置いてあるってことは、使っていいよってことでしょ?異論は認めませーん」


「ビーカーと、アルコールランプ。それから三脚とー、金網。漏斗。あとなんだっけ。そうだろ紙忘れてた」

//SE 机にそれぞれ置いていく音


「これで必要な物は全部かな。ふっふーん。やり方はばっちり。漫画で見た」


//SE アルコールランプの蓋を開ける音

「火つけるよ」

//SE マッチを擦る音


「......」//頑張ってつけようとしている


「あれー?これで合ってるよね?何でつかないんだろ。あ、折れちゃった」


「代わりにやってくれるの?ありがと~」

//SE 火が付く音

//SE マッチを水に入れて、火が消える音


「ビーカーに水入れて......」

//SE 水を注ぐ音

//SE 金網の上に置く音


「......」


「あのさ」

//机に肘を立てて頬杖をつく


「今度の土曜、暇?」


「暇ならさ、夏イベ付き合ってくれない?そう。ゲームの」


「いいの?やったありがとー!」//身を乗り出す感じ


//SE 沸く音

「あ、沸いた。コーヒー投入するよ」

//SE サラサラ入れる音


「泡出てきた。......火消していいかな」

//SE 机の上をアルコールランプが滑る音


「どうやって消すんだっけ。横から蓋被せるのか。ちょっと怖いな。そいっ」

//SE 蓋をかぶせる音


「消えてる?おおー消えてる」


「そっちのビーカーと漏斗持ってて。布巾濡らしてっと。注ぐよー」


「えっ?ガラス棒使った方が良いんじゃないかって?あーそんなん習った気がする。けど大丈夫っしょ」


「そーっとそーっと......」

//SE 注ぐ音


「うん、いい感じ。飲んでみるね。いただきまーす......うっ」


//SE 机を叩く音

//SE 椅子がガタッという音


「くっ!ぐあっ。これは!......めちゃくちゃにがいぃ」//半泣きみたいな感じ


「アンタも飲んでみてよ。ほらほら」

//ためらいながら飲む感じ


「どう?割と普通?アンタコーヒー飲めるんだ。大人だ~。私も牛乳入れたら飲めるんだけどなー」


「割合?1:9。コーヒー1に牛乳9ね。......失礼だな。実質コーヒーでしょ?」

//SE ピンとビーカーをはじく音


「間接キス?......。ご、ごめんごめん!妹とよく回し飲みとかするから、うっかりしてた~」ごまかすような笑い混じり


「......」恥ずかしい


//SE 引き戸が開く音

//SE 席を立つ音


「あっ先生ー!私達で淹れたコーヒー飲んでください。評価は優良可のどれかで!」


//SE ぽんと肩をたたく音


「土曜の約束、忘れないでね」//耳元で囁く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る