第3話 宝探し

「おはよー。今日は私の方が遅かったね。ん?なにそれ。クロスワード?私の分もある。黒板の文字って先生が書いたの?」


「なになに、今日の課題はクロスワードです。正しい答えを導ければ、ちょっとしたプレゼントもあります。えー面白そう!問題を解いて、正しい座標を当てればいいんだね」


「問題文は......文系科目と理系科目半々って感じかな。よし、協力して正解見つけよう!」


//SE 教科書をめくる音


「えーと、ここはアが正解だね。歴史は教科書見ればいいから楽~」


「歴史の問題終了~。次古典やろ。私古典も好きなんだ。現文ほど得意じゃないけど。言葉ムズイけど、異世界の話みたいで面白くって。え、意外?失礼だな、私わりと文学少女だよ」//ぷんぷん怒ってる感じ


「ぷっ。なーんてね。怒ってないよ。よく友達にも、本読むタイプに見えないって言われる。アンタは本読むの好きそうに見えるなー」


「あんまり読まない?小説も漫画も?えー!?そんなやついるんだ」//身を乗り出して


「じゃあ暇なとき何してんの?......単語帳開いてるぅ?真面目君か!じゃあ、今度面白い短編小説教えてあげるから、よかったら読んでみてよ。ハマるか分かんないけどさ」


「脱線しちゃった。問題解こ。えーと訳的に、にけりになるはずだから、ウが正解だと思う。で次の所は......」

//SE 書く音とページをめくる音


「ふ~文系科目しゅーりょー。ちょっと疲れちゃった。けど景品のためならもうひと頑張り......したいところだけど、こっからの理数系はアンタが頼りだから」


「私も生物とかの暗記部分は手伝えそう。計算系は任せたよ」


「すごっ何でそんなにスラスラ解けるの?やば、あっという間に空欄が埋まってく......」


「終わったー!えーと、分かった座標を構内図に入力して......」

//SE 携帯のタップ音と電子音


「重なったここに景品があるってわけね。よっし行くぞー!」勢いよく立ち上がる感じ

//SE 手を掴まれる音


「ほら早く早く!先生なに用意してくれたんだろ。楽しみ~」


//SE ドタドタ畳を移動する音 

//SE 教室の出入り口の戸を開ける音

//SE 靴を履く音


//SE 廊下を歩く音

「解放感やば。めっちゃ集中してたからな~」


「しんとしてるね。私達意外誰もいないみたい」


「ねえ、二人であーって叫んでみる?絶対気持ちいいよ。......ふっ、冗談冗談」//悪戯っぽい感じで


「待って。まっすぐ行くんじゃなくて、購買寄りたい。頭使ったら甘いのとりたくなっちゃった」



//SE ベルの音

「黒兎さん、ドリンク買いたいんだけど」


//猫っぽい小さな鳴き声


「ソルティクリアオレンジで」

//鳴き声


「こっちで塩分補給したって意味ない?分かってるって。この味が好きなの。アンタは何にする?」


「うん、おごってあげる。アンタ転校してきたばっかでNポイントないでしょ?ほら、何にする?林檎のやつ?おっけ、兎さん注文追加でー」

//鳴き声


//SE 歩く音 ストローでドリンク飲む音

「ぷはあっ。生き返る~。あれ、飲まないの?歩きながら飲むの抵抗ある?お坊ちゃんか」ツッコミいれる感じ


「いいじゃん。誰も見てないよ。私のジュースが飲めないってのか?ん?」//可愛い感じで脅して


//SE 一口飲む音

「ふっふっふ。これでアンタも同罪だね。......ぷっ。ごめんごめん、そんな顔しないでよ。別に、この程度で誰も怒ったりしないよ。うちの先生緩いし」


「段々慣れていけばいいよ。うちの校風にさ。前の高校とのギャップが凄いかもだけど」


「座標はこの上か。階段長すぎー。エレベーターがあればいいのに」

//SE 階段をのぼる音


「この校舎、どっかの有名建築家がデザインしたらしいよ。和と中華をまぜこぜにしたとか。結構見た目気に入ってるんだ」


「リアルの学校みたいに、機能性第一って感じのかっこいいデザインも好きなんだけどさ、木材で古風なのって、なんか雰囲気いいよね。黒板とか紙のプリントとか、アナログなのは最初びっくりしたけど」


「アンタも驚いた?だよね~。先端技術の無駄遣いじゃんって笑っちゃった」//楽し気に



「ふう、やっとのぼりきったぁ。座標は......あっちだ」

//SE 歩く音


「ここのはずだけど......変だな。それっぽいのが無い。うーん」

//SE 歩き回る音


「答え何問かミスっちゃったかな。あっ気にしないでよ。どっちがミスったとかどうでもいいし。それに多少ズレててもこの辺にあるのは確かだと思うな」


「このドアなんだろ。こっちって部屋あったっけ」


//SE ドアを開ける音 吹き込む風の音


「......!」//驚いて言葉が出ない感じ


//SE 焦った感じで走る音 

//SE とっさに体を抱きかかえる感じの音


//震える息を長く吐きだす。


「び、っくりした......」


「落ちても死なないからって、安全基準がばがば過ぎでしょ。マジ緩いわうちの学校」


「ふー、心臓めっちゃバクバクしてる。アンタの心臓の音も聞こえる。すごく速くて......ってなにしてんの私!」//ばっと体を離す


「ご、ごめん。普段からこんなセクハラじみたことしてるわけじゃないからね!?今は動揺してたから......とにかく、助けてくれてありがと。アンタが体おさえてくれなかったら、地面に真っ逆さまだったかも」


「このお礼はいずれ必ずするから。期待しといて」//恥ずかしそうに


「......あれ?そこの窓」

//SE カーテンを引く音


「あった!景品ってこれでしょ。カーテンの後ろにあったのか~」


「URLが張り付けられてる。えいっ」

//SE ぺりっと剥がれる音


「スマホで読み取ってみよっか。......これ!引き換え券だ!たぶんいれぶんのロールケーキ!やった~先生分かってるじゃん」


「さ、教室戻ろ。早く帰って引き換えに行かなきゃ。新作スイーツも買っちゃおうかな」//うきうきした感じ


//少し歩いて振り返る

「今日はありがとね。アンタのおかげでめっちゃ楽しかった」


「先生も病み上がりで頑張ってくれたし、お礼言わないとねー」

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