第39話 最高のまた、再び
そして月日が立ち、私達は大学を卒業して社会人となった。
彼の事でまだ完全に立ち直りきってはいなかったが、美華を始め、亮さんまで私の事を支えてくれていた。
少し、前に進もうときっかけになった事がある。
それは美華が言ってくれた事。
美華「ねぇねぇ。私達二人で喫茶店しない?」
大学の間、二人がバイトをしていた喫茶店のオーナーさん。
もう高齢となり、店を閉めたいと言っていた。
その時に、
オーナー「二人がこの店引き継いでくれるなら、ワシはお客さんとしてこれからも来るよ。だからすぐとは言わんから考えててくれ。君たち二人ならきっと今よりもっと繁盛するし、いいお店になるよ」
と言ってくれた事がきっかけで彼女がそう私に言ってくれたのだ。
色々なたくさんの思い出があるこの喫茶店。
離れたくないと思った。
美華と一緒に前に進みたいと思った。
その彼女の意見に賛成した私は、大学卒業後、彼女と一緒にこの喫茶店を任されることになる。
今まで全く気にしていなかった売上や経費。
覚えることがたくさんあり、毎日彼女とヘトヘトだった。
そんなある日。
いつものピークの時間を終え、カウンターに座り、背伸びをする私達。
するとそこへ、
"ガチャッ"
扉が開いた。
「今の時間大丈夫ですかー?」
どこかで聞いたことあるような、美しく、可憐な声。
そう。
小春さんがそこにいた。
美華「あっ!小春さーん!」
嬉しくて小春さんに飛びつく彼女。
本当、あの時以来。
髪も少し短くなり、雰囲気がさらに変わってより綺麗になった。
私は小春さんのそこにいる姿を見て、色々な思いが混み上がり、大声で泣いた。
唯愛「小春さぁぁぁん!!」
私も彼女に飛びついた。
そして何も言わず、彼女は私が泣き止むまで、優しく私達を抱きしめてくれた。
しばらくして私はなんとか涙が止まり、彼女にコーヒーを入れる。
すると小春さんが私達にとって最大のサプライズともいえる事を口にした。
小春さん「私もここで働こうかなっ!」と
................
そして私達3人の新しい喫茶店がスタートした。
さすが小春さん!と言えるぐらいに、彼女が来てくれた事で、売り上げも上り調子。
気づけばこの街で1番の人気店となった。
お客さんともコミュニケーションをとりながら、美味しいコーヒーを提供する私達。
とあるお客さんに言われた事がある。
お客さん「君たち3人とも仲がいいね〜!お友達?」
この言葉はよく聞かれていた。
そして私は、毎回この返事をする。
唯愛「友達以上です。後は内緒ッ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます