第33話 二人の別れ

そして、彼と別れ、家に帰り荷物をまとめ、私達二人は駅まで行った。


 唯愛「やっばり美華と離れるの寂しい...」

切符を買い、改札口の前で、私は涙を流し彼女にくっつく。


 美華「私もだよ〜。うぅぅ〜...」

本当にあっという間のひとときだった。


次帰ってこれるのは、早くて半年後か一年後になる。


 唯愛「私も行こうかなっ..美華のいるところに!」


 美華「そんな冗談っ!でもありがとっ!そうだ。最後に1つ言っとかないといけないことがあったんだ!」

彼女の胸の中で泣き喚く私の顔を上げ、私の目を見つめた。


 美華「小春さんが、唯愛に伝えててって言ってた!」


 唯愛「え?何を?...」



そして彼女が伝えた。


小春さんの言葉を...


"小春「最後に唯愛ちゃんに伝えて欲しいの...あなたの運命の人は彼だわ。しっかり海さんと向き合って」"



 小春さんの言葉を聞き、ビックリしてしまった私。


 "まさか、小春さんがそんな事いうなんて..."


そしてビックリしていた私の様子を見てた美華が、さらに強く私を抱きしめた。


 美華「あの人なら大丈夫!うん...大丈夫だよっ...だから全力でねっ!」


そう私に伝えた彼女の目に、涙が溢れていた事に気づいたのは、彼女の声の震えから伝わった。


 そうして、彼女は改札口に切符を通し、私の方を振り返り、言う。


 "唯愛ー!頑張るんだよー!"


そして彼女は消えていった。


思えば彼女から"頑張れ"と言われたのははじめてかもしれない。

今まで、いつもそばにいてくれてたから、何かあれば"私がいる"と言ってくれていた気がする。


私と同様、彼女も小春さんや、彼を通して成長しようとしているのかもしれないと思った。


でも私は...


"これからもずっと一緒だよ"


と心の中で何度もそう伝えた。

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