第28話 繋がる微かな違和感

 二人に笑顔が戻り、以前公園での話の続きをした。


 唯愛「海さんが、いきなりもう会うのはやめようっていったからビックリしましたよー」


 海「ごめん。こんな最低な男の人と会いたくないだろうなと思ったし、唯愛さんと話すと居心地が良すぎて、また今後さらに辛い罰が下るかなと思ってさ...」


 唯愛「そんな、私ごときで罰なんか下りません!それに、海さんが過去にどんな事があったとしても、私は今の海さんを見てますから」


 海「そう言ってくれてありがとう。男友達とも話してて、素直に行動してもいいと思うって言われたから、だからその日から公園に毎日行って唯愛さんを待ってた...」


 唯愛「えっ?そうだったんですか?私達、今はランニングやめてバイトしてるんですよ!喫茶店で」


そう...


あの時、この話が始まった事で一瞬にして二人の空気が変わったのは今でも覚えている。


 海「そうなんだ!喫茶店でバイト!凄いねー!」


 唯愛「そうなんですよ!めっちゃ暇なんだけど、楽しくて!あっ!そおだった。今日その喫茶店にいつも来るお客さんと、女子会する予定だったんですよ〜!」


 海「そおだったんだ。で、その人は?」


 唯愛「まだ来てないの。で、その人"小春さん"って言うんだけどめちゃくちゃ美人でっ!」


 海「...小春...さん?」

彼の声のトーンが急に下がった。


 唯愛「はい!"霧島小春"って人です。知ってる人ですか?」

さらに彼の顔の表情がこわばった。


初めは私もなんでかわからなかったが、すぐに、私の頭の中で交わることのなかった線が繋がる。


 唯愛「...海さん。海さんの不倫してた人って...もしかして...」

こわばっていたの表情のまま彼は顔をゆっくり挙げ、私の目を見ながら口をゆっくり開き、言った。


 海「そう。俺はその人と不倫していたんだ...」



繋がった...


思うほどでもなかった、頭の中の微かな違和感。


聞かなければよかったと後悔した。


頭の中で繋がったが、口に出してはいけなかった。


分かっていても聞くべきではなかった。


そう...


罰が下ったのは...


彼ではなく、私だった。


そしてもう一人...


小春さん。


彼女がここの場所に来て彼がいた事に気づき、私達に会わずに帰って行った事を知ったのはドラッグストアに行っていた美華から聞いた。

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