第20話 彼女の告白

 公園に着いた私達は、いつものベンチに座った。


 唯愛「小春さん...本当にありがとうございます。助けていただいて...」


 小春さん「うん。全然大丈夫。ちょっと疲れちゃったけどね...」


 美華「あっ!私、コンビニでコーヒー買ってきます!二人共ゆっくりしてて!」

そう言って彼女は私達に手を振り、しばらくその場を離れた。


 小春さん「ごめんね。変な男の人呼んじゃって。私の”女友達の友達”だったからどんな人かわからなかったんだけど、まさかあんな人連れて来るとは...」


 唯愛「いえ...小春さんの知り合いの方1人だけですよね?その方は優しかったですよ。その友達がちょっとヤバかったです...」


 小春さん「そおだね。怖かったでしょ?」


 唯愛「はい...急に腕を掴んで来たのでビックリしました。でも合コンってこんなものかって勉強になりましたし、小春さんにも助けてもらったので本当に感謝です」


 小春さん「本当に巻き込んじゃってごめんね」

彼女は私に何度も謝ってきた。

でもそんな事よりも私が彼女にもっと聴きたい事がある。


 唯愛「小春さんって不倫されてたんですか?」

その事がずっと頭から離れなかった。

しばらく下を向いていた彼女がゆっくりと顔をあげそして、話し出す。


 小春さん「そう。私は不倫していたの。過去にね...だからあの人が言ってた事は本当なの」


 唯愛「そうなんですか...その人とはどうなったんですか?」


 小春さん「もう別れたわよ。私が嘘をついて離れた...」


 唯愛「...」


 小春さん「本当は何もかも全部捨てて、彼と一緒になりたかったんだけど、その勇気が私にはなかった。私には子供がいるし、それに彼にも...」


 唯愛「どうしてその人の事が好きになったんですか?」

私は聞いた。


 小春さん「ほっとけなかったのかな...今思えば分からない。辛い事もたくさんされたしあったけど、でも彼はずっと優しかった。今までの人とは違う優しさが...」


 唯愛「でもその優しさって、ただ身体目的とかではなくて?...」


 小春さん「もしかしたらそうなのかもしれないね。でも、彼に包みこまれた時は、全ての私を彼に捧げたいと思ったの。私の"好き"になるってそういう事なの...」


 小春さん「でも、結果別れちゃったけど後悔はしてないわ。私にとっては彼と一緒にいたあの時間、大切な宝物として心に閉まってる。彼はどうか分からないけど...きっと今どこかで苦しみながら戦ってるかもしれないね...」


 唯愛「今の彼の事気にならないんですか?」


 小春さん「気にならないって言ったら嘘になっちゃうけど、彼のそばにいるべき人は私じゃないわ。多分、唯愛ちゃんみたいな...可愛くて、純粋で、でも芯はしっかりしてて...そういう子が彼には合ってると思うの」


 唯愛「わっわたしですかぁ〜?」

急に私の事を言われ、焦ってしまう私。


 小春さん「そうよ。だから彼とは言わないけど、唯愛ちゃんにも必ず運命の人がいるって事だから、その時まで今の唯愛ちゃんのままでいるんだよっ!もしかしたらもう既に出会ってるかもだけどっ!」

そう言って彼女は私の頬を人差し指で突いてきた。


 その事を言われ、私が思い出した人は...


そう...

 

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