第18話 初めての合コン
そう。
私達は美華の急な提案で初めての合コンをすることになった。
小春さんの知り合いの女友達に呼びかけてもらって、男の人が数人集まるとの事。
私にとっては初めての経験。
この合コンはどちらかと言えば、恋人探しというよりも、男性と話す事でトラウマを払拭したいという考えの元であった。
美華もいるし、小春さんも来てくれるみたいだし大丈夫。
そう思い、当日を迎えた。
美華「小春さーん!」
駅で待ち合わせをしている所にやってきた小春さん。
いつも仕事の合間に喫茶店に来るため、だいたい仕事の服しか見れなかったが、プライベートの彼女はまた雰囲気が変わって綺麗というより可愛さが増している。
本当、理想の大人の女性。
小春さん「ごめん。少し遅くなっちゃった」
美華「いえいえっ!私達もさっき来たところなので!てかさっきからずっと唯愛が緊張しちゃってるから小春さん、励ましてあげてください!」
この合コンが決まってから、ずっと複雑な気持ちから逃れる事ができず、自然と美華といるときも口数が少なくなっていた私。
小春さん「唯愛ちゃん!大丈夫!私がいるし、それにその場の空気を楽しんでみるってだけでも大丈夫だから!」
そう言って、彼女は私の頭をポンっとしてくれた。
美華といい、小春さんといい本当に頼りがいのある人だ。
その言葉を聞いて少し緊張がほぐれた私。
そして私達3人は、男の人がいる居酒屋へ向かった。
男の人「初めましてー!こんばんわー!」
居酒屋の外で3人程タバコを吸っていた。
小春さん「はじめまして!私霧崎小春と、唯愛ちゃんと、美華ちゃんです!今日はよろしくお願いします」
男の人「へぇ〜!皆さん、めっちゃかわいいですねっ!よろしくお願いします!中に入りましょうか!」
小春さん「ありがとうございます!はい!入りますか!」
初回からフランクな男の人と、それに対しモノともせず、さっぱりとした対応をする小春さん。
あのコミュ力抜群の美華ですらも、合コンというのが初体験であり、男の人を目の前にして急に緊張してしまっているのに。
それがわかったのも、美華が私の服の袖をしっかりと握っていたからである。
私と美華は、居酒屋に入る時一番後ろにいたが、皆が入った後、彼女が耳元でコソッという。
美華「緊張するけど、一緒に頑張ろうねっ!」
なんだかんだいって彼女も、ついこの前までは高校生だった。
緊張するのもおかしくない。
そして中に入り、席に座り、人生初めての合コンが始まった。
"かんぱーい!"
男の人「あれ?2人ともお酒飲まないの??」
小春さん「そう。まだ2人とも20歳超えてないから」
男の人「そおだったんだ。小春さんと二人はお友達?」
小春さん「そう。近所の昔からのお友達。家が近いこともあって、最近久しぶりに出会ったんです。それで、皆で盛り上がって合コンしたいねーってなってねっ!...ねっ?」
唯愛「はっはい!そうなんですっ!...」
急な小春さんの嘘に思わず合わせてしまった私。
男の人「へぇーそおなんだぁ!でもホント皆さん綺麗だし可愛いですよねっ!俺は唯愛ちゃん好きだなぁー!」
男の人「俺は美華ちゃん派!」
男の人「俺は初め会った時からずっと小春さん!」
小春さん「あはははー!皆うまくタイプが分かれてよかったです!」
序盤からこの空気についていけていない私と美華。
そしてさらに合コンは続く。
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