第59話 北海道及び東日本の旅(1) ~18きっぷを使わないなんて……大人になったのかも、しれない~
さて。
先日、2024年、冬の青春18きっぷのアナウンスが流れました。
……いやあ、変わりましたねー。もはや、青春18きっぷらしさはない。
一番、難しいのが、「連続使用」ですね。
これが変化してしまうと、帰省での利用が難しい。
常識的に考えて、「5日間の連続使用」などという使い方は一般的には不可能に近い。
18きっぷは5日間をバラバラで、または5人で利用できたからよかったのにね。
5日間とか、そんなに連続して休めるはずがないんですよ……。
もし休むことができたとしても、その5日間全てをJRで移動しようなんて考えないんです、一般的には。
……おまえが言うな?
確かにそうかもしれません。
私はかつて、JR北海道とJR東日本が共同で発売している「北海道&東日本パス」という7日間連続の乗り放題切符を2枚使って、約半月の旅をしたことがあるので。
でも、一般的にはそんなことする人の方が少ないので!?
私の方が珍しいというか!?
……まあ、そんな話はいいんですよ。青春18きっぷがずいぶんと変わったな、と。
そういう話です。
思えば……元の18きっぷはこの夏までだったのか、と。
2024年の夏までは青春18きっぷらしさを残したままだったのだ、と。
しかし、私は……最後の18きっぷを使わなかった。これは、その告白の話。
2024年夏、青春を捨てた長期旅行の話なのです。
初日は、まあ、移動日ですね。都合よく飛行機は飛ばないので。
羽田で乗り継いで千歳へ。
そう、千歳。
今回の旅は北海道から始まる。
……とはいえ、遅い時間に新千歳空港駅に着いて、快速エアポートに飛び乗ったので。
車窓も何もあったもんじゃない。ただ札幌まで乗っただけ(新千歳空港~札幌)。
札幌からはホテルですね。遅い時間でもチェックインできるホテルでないとダメだった。
地下鉄で移動して、夜なのに賑やかなすすきのの街をスルーして、電停から路面電車に乗る。ホテルの最寄り駅で降りて、チェックイン。
本当に初日は、何もなかった。
https://discordapp.com/channels/1211498324264357888/1273913100742955100/1274178421760589936
長期旅行2日目。
この日は札幌近郊の鉄旅。
とりあえず荷物はホテルに預けたままで、手荷物だけ持って出発。
朝イチの札幌市電で一日乗車券を購入したら、そのままぐーるぐると、完乗した。札幌市電は環状線だからね。内回りと外回りをぐるぐるしたらおしまいです。
続いて、札幌市営地下鉄です。きっぷの自販機で一日乗車券が買えるからね。便利だ。
もちろん、南北線、東豊線、東西線の全てを完乗してきました。一日乗車券ってそのためにあるというか。
地下鉄の一部が地下ではないってのはお約束ですよね。大阪だと御堂筋線の新大阪らへんとか、福岡の地下鉄もそうだし。
でも、北海道だからなのか、ドーム状の屋根に守られてる駅は雪対策なのかな?
朝からさっそく乗りまくって、2日目の本命は札沼線です。事前に往復できっぷは購入済み。
札幌からまずは北海道医療大学を目指す。
この路線、札沼線という名前から分かるけど、かつては札幌から石狩沼田までの路線だった。今はもう、途中までなんだけどね。
北海道には、こういう廃線がいっぱいある。まあ、営業という意味では持続が難しいって話は当然なんだけどね……。
この路線、愛称は「学園都市線」ってなってる。これは北海道医療大学と北海道教育大学札幌校が沿線にあるからなんだけど……。
……札幌からスタートして、桑園駅でいきなり競馬場があるんですよ。JRAの札幌競馬場ですね。
学園都市線と名乗りながら、学生の理性を試しにきてませんかね?
大学にたどり着く前に競馬場ですよ? 下手したら身を滅ぼしますよ?
そんなことを思いましたねー。
さて、続いては八軒駅です。
ここはハガレンで有名なあの方が農高を描いた銀の匙の主人公、八軒くんの名前のもとになったと言われている駅です。はい、それだけですけどね?
それから、全国でも珍しいカタカナ駅名の「ロイズタウン」駅ですね。
あの有名なチョコレートのロイズですね。工場が近くにあって、工場見学も可能です。行ってないけどね。鉄旅なので。
そして、終点の北海道医療大学駅に到着しました。
特に用事がある訳でもないから、ここで折り返すんだけど……。
この先って実は、2020年までは鉄道が走ってたんですよ。新十津川までだったかな?
今は2024年だから、だいたい4年前までは走ってた。そういう路線です。
北海道医療大学駅は、今は果ての駅なんだけど……そういう意味で、全然果ての駅感がないっていうか……。日光駅とかとは違うんですよね。ここで終わりなのに、ここで終わった感じがしないというか……。
まだこの先へと進めるけど、今は無理、というこの感じ。
鉄道の歴史と、産業の変化による……哀しみとでも言うべきか。
バスの方が便利だったりするんだよね、いろいろと。線路じゃなくて道路だったら自家用車でも大丈夫なんだし。
結局、鉄道というものは「大量輸送」が前提なので、乗車人数が少なくなってしまうとどうしても廃止論が出てくる。利用者の声を聞きたくても、少ない声は届かない。
そんなことを思った駅でした。
https://discordapp.com/channels/1211498324264357888/1273913100742955100/1274181326076903566
長期旅行3日目。
ここからが本番です。
夏だから青春18きっぷの有効期間……なんだけど。
ここは北海道。でっかいどうだ。普通だとなかなか厳しいところも多いのである。
……という訳で購入したのは「北海道フリーパス」ですね。
青春18きっぷや、北海道&東日本パスよりもお高い27430円だけど、有効期間7日間のJR北海道乗り放題で、特急の指定席も6回分は無料でオッケーという優れもの。
もちろん、追加で指定券を買えば特急の指定席は7回以上、乗れる。
指定席ではなく自由席なら何回でもオッケー。
そう、私はもう青春18な世代ではなく、大人な高額の切符で旅をするんだ……。
残念ながらこの切符、お盆なんかは利用制限がかかって使えないからね。タイミングが大事になるけど、7日間きっちり使えるタイミングならかなり便利な切符なんですよね。
3日目から9日目までの7日間はこの切符が基本となります。
……そう。私は今回の長期旅行で、JR北海道を制覇しにきたのだ。
今の(2024年)JR北海道はかなり廃線してしまって、7日間のこの切符でほとんど乗り尽くせてしまうからね……。
とりあえず北海道フリパの初日は、札幌~稚内から。
特急「宗谷」で乗り換えなしの直通ですね。ただし……札幌発07:30で、稚内着12:42なんだ……。
なんと乗車時間は5時間を超えるという……新幹線の博多~東京でも5時間を切るというのに。JR北海道にはこういう特急がまだ残っている。なかなかすごいよね……。さすがはでっかいどう……。
もちろん無料の指定席を使わせて頂いて、車窓を楽しむ。
……ちなみに自由席でも札幌~稚内は10000円を超えちゃう区間なので、北海道フリパって実は簡単に元が取れちゃう切符ですね。初日で27000円のうち10000円はクリアなんで。
さて、車窓の話。
基本的に北海道の車窓は雄大な田園風景と、河川絡みの車窓だ。もちろん、海沿いなら海が見えるところもあるけどね。
こういうのを見ていたら、川が大地をつくるなんて話も信じてしまう。すごいぜ、でっかいどう。
特急「宗谷」で海が見えたのはラストも近い南稚内の手前のわずかな区間だったけど……なかなかの絶景ではあった。
それに、読めそうもない駅名なんかも北海道ならでは。例えば音威子府とかね。普通ならこれは絶対に読めねぇ……。「おといねっぷ」ですけどね。
あと、もうちょっとで稚内というタイミングでエゾシカとの接触事故……めちゃくちゃ多いらしい。エゾシカとの事故。
野生動物にしてみれば鉄道とか知ったことじゃないよね……。
そうやって到着した稚内駅。
去年の年末に鹿児島の枕崎駅まで行ったからね。駅のホームに「〇〇から◇◇キロ」みたいな表示がいっぱいある。さすがは最北端の駅。
枕崎駅からは3099.5キロらしい……。
……樺太の南半分を日露戦争で獲得してたので、実は青函連絡船みたいに船に車両を積み込んで樺太まで渡っていたという歴史はあるにせよ、今はここが最北端の駅なので。
私もついに日本最北端の駅にやってきたのか、と。
まあ、写真を撮影しまくって、改札を出て……迷わず荷物の中から長袖を出して着ました。
……真夏なのに、16℃なんですが、ここって日本ですよね? てゆーか、日本はせまいっていう人もいますけど、日本ってマジで広いから!? 真夏に16℃の場所が国内にあるんですよ!?
こんな長期旅行の始まりです。つづく。
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