第33話 やっぱり車の旅は大変だ ~かつて国民総参拝と書かれたのぼりを見たけれど?~
珍しく、車での旅。
目的地は三重県、伊勢。はっきり言って、遠い。
しかも、ナビが古くて、第二名神を認識してないから、ナビ上では山ん中を突っ切ってるし。
ずいぶんと前に行った時は、近鉄で行った。その時も伊勢神宮は内宮、外宮、ともに参拝した。どっちだったか、とにかく、大量ののぼりに『国民総参拝』って書かれてて、ちょっとビビった記憶があるけれど……。
それよりも前は、小学生の時。修学旅行で行った。伊勢神宮だけじゃなくて、鳥羽水族館も行ったはず。私の場合、旅行先よりも近鉄の修学旅行専用団体列車がダブルデッカーだったことの方が重要だったけれど。近鉄のダブルデッカーは有名ですよね? かの有名なビスタカーですよ?
あおぞら号、最高。
二階建てでみんなが競って二階の座席を目指す中、私はすぐに一階座席に喜んで座って、低い目線でのホームとか、すれ違う車両の低い見え方とか、ちょっと違ったものを全力で楽しんだ。
しかも、やんちゃな男子たちに二階から追い払われた優しい女子たちが一緒になったため、おやつを色々と分けてもらえるというオマケ付きで。あの連中にやり返せるような強い女子はオヤツとか、分けてくれませんから。
お礼に近鉄のビスタカーとか、あおぞら号とか、色々と語ってあげました。優しい子たちですから、うんうんとうなずいて聞いてくれましたよ? オヤツ付きで。なんで女子って自分で買ったオヤツを誰かにあげちゃうんだろうね? 私は自分のオヤツは自分で食べる派です。
まあ、そんなはるか昔の話はともかくとして。
車で伊勢。めっちゃ遠い。到着しても、伊勢とか、道、狭いし。軽で良かったけれど、途中は軽だと色々と辛かった。
伊勢うどんは好きなんだけれど、あれは好みが分かれる。絶妙に微妙なところ。
とりあえずおかげ横丁に突入した。おなかも空いたし。
まずは赤福。老舗の看板は右からだよね。うんうん。
ガラス張りの中でおねえさんが手作りで赤福を作ってる。あれを食べさせてくれるのか、全然別の物なのか、そこ、知りたいかも。
それにしても本店のこの建物、渋いわー。ちょびっとだけの庭も、その向こうの五十鈴川もいい感じ。
このおかげ横丁の商売っ気って、流石は伊勢商人というべきなのか? もう、ちょっとしたテーマパークですよね? まあ、江戸期には大流行したって話ですし。伊勢参り。旅行ブームが近世にあったとか、この国って、マジで豊かな国なのでは……。
あとは伊勢といえば……大黒屋光太夫か。これも吉村大先生ですね……いや、井上大先生の方は映画にもなってたような記憶が……。エカテリーナ繋がりで私の作品と勝手に結び付けたい。『フォレスター子爵夫人の成り上がり』をどうかよろしくお願いします!
残念ながら、赤福ではおなかいっぱいとはいかない。
なら、伊勢うどん……と思ったけれど、大混雑。これは、嫌だな。混雑、苦手。
うーん、と。悩んでると、別の行列を発見。コロッケに並んでる。でも、コロッケじゃない方には人がいないような? あれ? 入れるのか?
という感じで、豚捨に突入した。豚を捨てると書く、牛丼のお店って、なんか、深いわ~。
とにかく牛丼がめちゃウマでした。何、これ? この贅沢感? こんなに美味しくていいの?
外はコロッケの行列があるんだけれど、中で食べるとフツーにコロッケも注文できます。座って待ってて、そこで食べられます。みなさんは行列、頑張って下さい。ファイト!
食べたら伊勢神宮。内宮ですね。宇治橋を渡る。
内宮は広い。で、お参りしたら、そうそう、今は空いてるあっちに前はあったはず、と。以前、ここに来たのは遷宮の前だったと気づく。
ぐるぐると伊勢神宮を歩いて、お参りを続けるうちに、なんとなく、パトレイバーのゆうきまさみ大先生の『ヤマトタケルの冒険』を思い出した。なんで思い出したかっていうと、伊勢の斎宮の話とか、ヲウスが伊勢にやってくることとか、あったはずだと思ったから。
あれ、って、年齢制限は、どうなんだろう? 今さらだけれど。
なんか、アッセンブルインサートと頭の中でごっちゃになってるかもしれない。
神域であの『ヤマトタケルの冒険』を思い出すなんてある意味では不謹慎なのかもしれないけれど、それなら描いた大先生の方がまずいよね? でも大先生だからきっと問題ないはず。
ウマ娘の何年も前にじゃじゃ馬を書いてしまう大先生は、時代を先取りしてると私は思う。パトレイバーのバビロンプロジェクトなんて、もう、今から考えたらどうすればいいの? あーるなんて、今読んでもめっちゃ笑える。誰もいないとこで読まないとやばいと思う。
屋上露天風呂のあるホテルに一泊して、翌朝、チェックアウトする前に一度、外宮へ行く。
早朝の外宮は、静謐な空気に満たされている。なんか、絶対、マイナスイオンとか、いっぱいのはず。
濁り切った私の心も清められるに違いない。
でも、頭の中では昨日からずっと、『ヤマトタケルの冒険』のストーリーを思い出そうとしてたりして。なんて不謹慎。
あれって、NTRものなんじゃないか? 確か妹が恋人で、死んだ(殺した)兄が孕ませようとしてくるし……ヲウス(ヤマトタケル)も、オトタチバナと浮気しちゃうから……ああ、この世は実はNTRものに溢れている……おぅ、日本ってはるか昔からの古事記の頃からNTR大国か……。
なんか、伊豆でも大作家の作品について似たようなことを考えたような……? 伊勢とか伊豆とか、Iで始まる地だと、ダメなのか? 愛だけに……?
どうやら、国内でも最高峰の神域でも、私の濁り切った心は浄化されないらしい。
そもそもこの伊勢旅、私はただのドライバーで、友人が伊勢に行くための運転手だから、あんまり楽しめないという。下戸で飲まない人間は徹底的に使い潰されるのだ……。
だから、帰りは、寄り道に納得させた。近くに名神高速があったはずだから、絶対に寄り道できると思ってた。
菓寮伊藤軒だ。秋の今は、なんと、モンブラン山! もはやこれは神スイーツ!
そもそもモンブランって山の名前だしね。山盛りのでっかいモンブランとか、全人類に自慢したい。
なんかもう、モンブランのクリームがおそばに見えてくる……。
大きくて大量ですけれど、甘さはやや控えめなので、意外と食べられるかもしれませんよ? 私は3つくらいは、イケそうです(もちろん、ひとつしか食べてません)。
甘いものが一番、私の心を綺麗にしてくれるらしい……。
もちろん、スイーツは友人におごってもらいました。マル。
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