この船はどうやってたどり着いた?(推進力編)

 ん?こっちもけっこう読まれてんだけど。


なんて呑気なことを言ってる場合じゃありません。こっちももっと書けよ、という声が聞こえてきそうです。


 本編でも質問で受けている、この船、推進力一体どうなってんねん(僕は関西人ではありませんので悪しからず 笑)、についてです。


 船の設計については、少しはぐらかさないとやっていけない部分もあり、そこが悩ましいところです。


遠未来とはいえ、既存するテクノロジーや仮説の延長線上にないとSFとは言えず、でなければファンタジーになってしまいますので。


「これほど非科学を疑われるような科学もあったものではないだろう。3万年越しの科学など、オカルトやファンタジーの世界に似合う産物であり、そのうち誰も信じなくなってバカバカしい伝承だと一蹴されるような類のものだ。」…第1話『人類、3万振りに目覚める』より。


 という感じに、そもそも信じがたい設定から始まっているのも事実です。


 この小説の説明部分でも触れましたが、専門家でもない自分がちょこちょこと調べながらやったところで、果たして本当に可能なことを書いているのか、と不安になる時もあります。


 そういうこともあり、うだうだと引き延ばして逃げていたのかもしれませんが、まあ、書かないとね(早よいけw)。もう始まってるんだしw


 船の推進力は「反物質エンジン」しかないと思っていました。光速の40%のスピードまで達する加速を可能にするようです。


物質と反物質が相合すると消滅し、その際にできるエネルギーが凄まじいとのことで、1mgで化学燃料12トン分のエネルギーを産みだすとか。


この現象は原子爆弾や核融合などでも見られるということで、現実味のあるエネルギー源と判断しました。


まあ、そもそも「お金もらえるなら俺なら作れるよ」と言っている学者もいるようですので。詳しい原理を知りたければググってください(適当だな!おい!)。自分は完全には理解できておりません。


このエンジンの話を最初に読んだ時、「おお、ついに太陽系を出ることが可能になるのか!?」と思いました。17mgの燃料があれば、光速の40%のスピードに達するというのも読んで、「完成すれば、めちゃ簡単にいけるじゃん!?」と思いました。


こういうこともあり、元々のオムニ・ジェネシスは、シリウスあたりまで行く設定でした(8000光年ぐらい離れています)。


ただ、うろおぼえだったので、書く時にもっと詳しく調べてみたら、このエネルギー源は、その燃料を生成するのに莫大なコストがかかるらしく、「反物質1gに対し約1,000億ドルとも推算される」(https://wired.jp/2016/03/19/kickstarter-per-sviluppare/)こんなんポンポン作れないやん、と思いました。


じゃあ、わざわざそんなに遠くにいかなくてもまあいいだろう、ということになりました。


ちなみに、「反物質発電」のほうが色々と問題がありそうだったので、船の中の通常運転はまだ開発中の核融合を利用した発電にしよう、ともなりました。


反物質のエネルギーは、ガンマ線などの人体に有害な物質をまき散らすようなので、船の中では堂々とは使えないとか、もろもろです。


このガンマ線をなんとかしようという宇宙船のデザインとかは考えられているらしいので、じゃあ遠以来ならもう解決してるよね、ということで端折りました。


遠未来なのだから、他にも色々と解決してますよって設定にもできたんですけどね。


そんでもって、2020年、ケプラー1649cという、地球にそっくりなんじゃねという惑星が発見されて、それが大体300光年ぐらいの遠さ。


オムニ・ジェネシスを書き始める時、こんぐらいがちょうど良いぐらいなんじゃないと思い(勘ですねw)、ちょっと調べてからこの設定を前提で考え始めました。


ちなみに、ケプラー1649cは寒すぎるので、ハルモニアそのもののモデルではありません。あくまでもインスピレーションです。


あのぐらい遠かったら、まだ発見されていない似たような惑星があってもおかしくないよね的な発想ですね(はは、適当かw)。


船の質量がすさまじいことを考えると、加速に要されるエネルギーもそれだけ増えるということで、100年で1光年進む、ぐらいの設定にしておきました。途中でエネルギー資源も取ってこなきゃいけないしね。


まあ、今になって思えば反物質の燃料、AIにずっと作らせておけばよかったやん、と言われそうですが、そこは見逃してください。とにかくコストがかかるんです!


ちなみに、本編でこういったことを端折っているのは、まあ、読むのしんどいよね、ていうのと柔軟性を持たせるためでもありますね~。


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