第8話 【新婚カップルの試練】猫耳少女の怒りと涙!不倫で結婚二日目の修羅場!?

初めての押しかけ妻の手料理を二人で食べた後、亜依は寝てしまった。ここぞとばかりに亜依で弄ぶハマー。とは言っても、見た目は幼女パンツを履いているこの男に性的な悪戯をするだけの度胸はない。


異性に対する欲求がないわけではない。いざ、その状況になると押せない。女性側から求められても応えられない。つまり、「恥ずかしい」のである。


昼食の時も亜依から「媚薬」を盛られた。しかも、彼女自身やる気満々。半裸状態ですらあった。しかし、ハマーは媚薬対策をした。しかも、「解毒剤」を飲んでいるのがバレないように、こっそり服用時間をずらしていた。


「えっ、それでは媚薬が効くじゃないか?」って。実は、彼の履いている幼女パンツ「ダイヤモンド紙おむつ(大人用)」に秘密があった。このパンツは、見た目は幼女パンツだが、装着者の体を強化してくれる。しかも、紙おむつとしての機能も充実している。排便、排尿はもちろんのこと。あらゆる装着者の余分な体液を吸収、消臭までしてくれる優れ物。


まだ装着して2日しか経っていないので、副作用的なことや他の機能的なことは今のところ見当たらない。亜依がその辺のことを知ってる風の口ぶりだったが、まだ聴けていない。


なぜなら、今は寝ているからだ。


ここまでの二日間、ハマーはほとんど寝ていた。活動していたのは今日の午前中。ハローワークに行っていた時だけなのだ。だから、亜依の寝顔を見るのはこれが初めて。そんな嫁の顔に落書きをする。ある意味肉体関係を持つより、よほど酷い話。


そうやっている間に満足したのかいつの間には、ハマーも寝てしまっていた。そんな時、8年前の引っ越してきた時より何かとお世話になっている小田桜子が訪ねてきた。


「ところで桜子さん、なんの用事ですか?」

「・・・・・」

桜子は黙っている。

「桜子さん!!なんの用事ですか?」

さっきより大きな声で。


「・・・・・」

「桜子さん!!!」


聞こえてはいるんだろうが、全く反応しない。


「桜子さん!!!」

「zzzz」

「!?」


なんと桜子は寝ていた。自分から訪ねておいて寝ているのだ。しかもたったまま器用に。しかも、目は開けたまま。


「ピッコ⚪︎大魔王かよ。」


とりあえず揺らしてみた。


「うう〜ん」

「いい反応❤️もうちょっと揺らしてみるか」

「桜子さん、おきてくださいよ」

揺らし続けると、

「んにゃ!?」


起きたみたいだった。


「訪ねてきて、寝てるってどういう…あわわわ」

なんと、桜子はバランスを崩してしまった。

「いけない!」


もう少しで頭を打つところだった。


亜依が午前中に片付けたとはいえ、一人暮らしのしかもつい昨日まで、ほとんどをトイレの中で過ごしていた男の部屋。散らかっていないわけがない。もう少しで、テーブルの角で頭を打って大流血。殺人現場見たくなるところだった。支えたのはよかったのだが、貧弱なハマーの体に桜子の体重ですら支えきれず。


「バタン!」

桜子と一緒に倒れてしまった。

「ごめんなさい、桜子さん。怪我はなかったですか?」

「は、はい。怪我はないみたい…ですが…」

とりあえず、怪我はなかったみたいだ。


しかし、桜子は顔が赤い。っていうか目が明らかにおかしい。しかも、声が変わっている。可愛らしい?というより、色っぽい声。


「あっ、あの〜。せめて、こういうのはお日様が落ちてからにしませんか?」


なんとお姫魔抱っこで支えるつもりだったのが、彼の左手は彼女のCUTEなHOLEのへ。しかも彼の人差し指と薬指がズボン越しにホールインワンしていた。


「暖かい。しかもなんかヌメヌメしてきた。」


さらに、彼に左手はガッチリと桜子の左胸を包んでいた。

「こっちは柔らかくて気持ちいい」

しっかりと揉んでいた。40代とは思えないほど、柔らかくて温かい。これで20代と言われても分からない。


傍から見ると完全に、ハマーは桜子を襲っている状態である。


「ああ、ごめんなさい。」

「ハマーさんも男の子ですもんね。」

「いやー、男の子というよりもうおっさんなんですけどね。」

「と、とりあえず。もう限界なので手を退けてくれませんか?今日は下着の予備とかないんですよ!」


「えっ、今日は?」


「・・・・?」


「なんでもないです。すぐに退けます。」


ちょっと気になる言葉があったけど、深掘りしないのが吉。下手したら犯罪者にされる状況にも関わらず被害者?の桜子は「男の子だから仕方ないですね。」と水に流してくれた。


とりあえず一息ついた。


「ああー、柔らかくた温かったなー。一生手を洗わないでおこう」


と、桜子の体の感触の余韻に浸っていると…


「あ、あっ」

「旦那様?」


なんと、亜依が起きていた。これはあかんやつ。結婚して二日目で離婚されるやつ。押しかけてきて、無理やり迫られたとはいえ、これで離婚なんて罰が悪すぎる。それに、このダイヤモンド紙おむつについて亜依に聞き出さないといけないことが山ほどある。


「とりあえず、宥めないと。」


「亜依、これは違うんだ!」

「ご主人様!」


「桜子さん、助けてください!」


焼石に水かもしれないが、こういう時不倫相手からの謝罪があればある程度は治る可能性がある。しかも、今回は事故。事故であることを説明すれば許してくれるはず。しかも、どこまで本当かは知らないが、亜依はハマーのことを愛しているらしい。まだ二日間しか暮らしていないはずなのに、その理由は変わらないが…


「亜依さん?でしたっけ。私たち、昔からずっと付き合っていたんだすが。」

「言い方ぁ!!」

「えっ、昔から付き合おうてたんかいな。」


さらに状況は悪化した。


自分と結婚した旦那には、まだ別れていない彼女がいた。しかも、明らかにラブ行為に及んでいたのだ。しかも、自分が寝ている目の前で。これは、鉄拳制裁もやむなしのところ、トドメの一言。


「ハマーさん、久しぶりに若い男の子に気持ちいいことをしてもらって。私幸せです。」


「こ、こいつー」


完全に、ハマーと亜依を離婚させることしか考えていなかった。


「桜子さん、もう黙っていてください!!」

「本当のこと言ったのに。」


もう、命はないと思った。今までも、というはトイレで腹痛でうなされていた時代はいつも「今日死ぬかも」って思いながら生活していた。でも、最後には生還した。死ななかった。でも、今回ばかりは不可避。


「願わくば、できるだけ痛くないように殺してほしい…」

そう思っていると。


「いや〜、ただの事故やろ?どう考えても」

「確かに桜子さんは別嬪さんやし、小柄やし、おっぱい大きいし、細かいところ陽気がつく人やけど。ご主人様が襲う度胸ないのに、何か起こる方がおかしい!」


なんと、亜依はただの痴女ではなかった。なかなか鋭い推理力。ある意味助かった。というか、状況説明する必要すらなかった。


すると、ハマーにいろんな疑問が一気に沸き起こってきた。


「そもそも、桜子さん知ってたのかよ!」

「スーパーの店長やろ?今朝、お昼のご飯の材料を買いに行くときに知り合うたんよ!今日の昼ごはんなんにしようかなーって考えてたら『お昼ご飯なんにしようかって悩んでませんか?』って」

「めっちゃ別嬪さんやし、輝いていたからお友達になったんや!」


「そういうことかよ」


「それと、なんで不倫じゃないって思ったんだ?」


「いや、だってこんな別嬪の嫁が半裸でいるけど、ご主人様全然手ぇ出せへんヘタレやん!」

「ヘタレ!?」


ハマーは心のHPを10削られた。


「まあ、正直、目の前で他の女の子の体を触って鼻の下伸ばしているご主人様見てたら思うところはあるけど、そこまで腹立てる方が時間の無駄やん!」


なんと、亜衣を「仏様ぁ〜」と思った2度目のハマー。


「それはそうと、桜子さん。なんの用事だったんですか?」


「ああ、そうでした。今日は亜依さんに用事があってきたんです。」

「例のもの、取り寄せできそうなんです。この辺ではあまり流通していいないんですが…今日の夕方に届きそうなんです。後ほどお届けしましょうか?近いですし。」

「桜子さん、ありがとさん。でも、取りに行くわ!夕飯の材料も買いに行かなあかんしな。」

「あんなに買い込んで良かったんですか?」

「うん、うち。あれじゃないと気持ち悪いねん。」

「それで、うち普通の人より量多いし、回数も多いねん。」

「あと、ここの裏にうちのお店の管轄の使われていない倉庫があるからそちらを使ってください。」

「うん、ありがとうな。そうさせてもらうわ。」

ハマーには全くなんの話だか分からない。


「一体なんの話してるんだ?」


桜子と亜依は二人顔を見合わせて一言


「いやー、それを女の子に聞くなんて。野暮やわー」


二人は少し顔を赤ながら、そう話した。どうやら女子同士でしか分からないことらしい。今のところ、特に知らなくても問題なさそうだったので忘れることにしたハマーだった。


「店長さん、ありがとうなー。また、夕方ごろ行くわ。良かったら、ちょっとお茶でも飲んで行かへん?」

「ありがとうございます。亜依さん。この後、東京の本部で会議なんですよー。今時ズームでやってるのに。うちの会社、ハイテク苦手なおじ様型が多くて嫌になってしまいます。」


普段は敏腕な小田桜子。彼女も会社の化石に手を焼いてるらしい。


「あれと化かしあいするのも楽しいですよ。」と今の状況を楽しみながら店長の仕事をやっているらしい。


「あっ、でも対応は女性のスタッフで対応させていただきますのでご安心ください。」

「あっ、ほんまか。何から何までありがとうやで。」

「では、お店でお待ちしています!」


そのまま、そそくさと桜子はハマーの自宅を後にした。


とりあえず、ほっとしたハマー。「ほっとしたところでお茶でも飲むかー」


振り返るとまた寝ている亜依。今寝てしまうと夜寝られなくなる可能性が。心を鬼にして亜依を起こすハマー。


「むにゃむにゃ」

「寝るの早ぇー」

「亜依、これ以上寝てたら夜起きれなくなるぞー」

「もうちょっと、寝かせてやー」

「こらこら、言ったそばから寝るんじゃありません。」

「なんや、ご主人かいな。顔が近い❤️」


その時、ハマーは思い出した。というか、見てはいたので認識していなかった問うべきか。顔の落書き。多分、さっきの不倫疑惑騒動で懐の広さが分かったので怒る事はないだろうと信じていたハマー。でも、恐る恐る会話を続けた。


「なあ、亜依…」


「うちの顔ジロジロ見つめてー。照れるやん❤️」

「やっぱり、うちの寝顔見てその気になったんか?でも、うちはこれから夕飯のお買い物!!」

「楽しみは夕飯終わってからやー、ご主人様」


寝ている間に起きた、押しかけ妻の顔の異変。本人はまだ気づいていない。なんか嫌な予感してきたハマー。顔が引き攣り始めてきた。


「いや…」


「なんや、怯えた顔をして。うちが優しく手取り足取り教えたげるから、安心してや」

ハマーが心配しているのはそこではない。しかし、一刻。刻一刻とハマーのその時は近づいている。


そして、その時はやってきた。ハマーは重たい口を広げて一言。

「なんか、ごめん。とりあえず、顔洗ってきてくれるか?」


「ん、なんやの?」

「いやー、やっぱり女の子は顔が命じゃない?」

「まー、ちょうど起きたてやし顔洗ってこようって思ってたけど。」


そして、洗面台の鏡の前に立つ猫耳少女。


「・・・・・・」


「んんん、なんじゃこりゃー」


今度は本気で泣かれた。何度も何度も殴られた。一発一発が体と心に沁みた。


「んぐっ。んぐっ。」


もう、胸元は涙でぐちゃぐちゃである。うっすら、ブラジャーが見えてきたが、そんなことを気にしている余裕はハマーにはなかった。


約1時間、泣いて…泣いて…泣きまくった亜依は


「もうご主人様のことなんか知らん!出ていく!」


なんと、結婚生活2日目にして離婚の危機。まあ、入籍はしてないから離婚もクソもないのだが。


こうやって、亜依は出ていってしまうのだった。


この時、ハマーは後悔するのだった。「あの時、一瞬のいたづら心で顔にらく描きなんてするんじゃなかったーなー」


どんな人にも「いたずらしたくなる心がある。」しかし、そこでグッと堪えるか「ここまでなら許してくれるだろう。」と相手のことをわかってやる心がある人。これを大人という。人間関係のトラブル原因は「情報不足である。」とハマーは気づいたのである。


たとえば、「熟年離婚」。多くの場合は旦那の奥様への情報不足が原因である。「どんな音楽が好きか?」「今ハマっている食べ物」「よく見ているテレビ番組」「好きな歌手」。奥様の関心を持てていないのである。


「ねぇ、あなた。今度これ見に行きたいんだけど。」

「ああ、ごめんこの日は出張なんだ。」

「ねえあなた、子供のことなんだけど。」

「ああ、それはお前が処理してくれ。」


そんなことが20年、30年続いているうちに旦那は情報不足になる。そうやって奥様との愛は冷め切っていくのである。まさに「時が問題を大きく」しているのだ。


だから、「俺はもっと、亜依のことを知らなくてはいけないな。」


ハマーはそんなことを考えていた。


「帰ってきたら、昔のことを聞いてみよう」


そう誓うのであった。


その前に、猫耳少女はハマーの元へ戻って来れるのかどうか?そして、無事に仲直りはできるのだろうか?


(第9話へ続く)









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