第3話【主人公ハマーの危機!?】猫耳娘の甘い誘惑。

ゴミ捨て場で幼女パンツを履いているハマー。しかも、周辺地域には幼女パンツばかりを狙う凶悪変態野郎がうろついている。つまり、ハマーは「犯罪者」として捕まる危機の中喋る黒猫を発見する。黒猫が喋るだけでも驚きだかが、自宅に持ち帰ると黄金のオーラに包まれ始めた。そして、最後になんとも美しい見る姿17歳ぐらいの少女の姿になっていた。


「私と結婚しなさい!」


その黒猫亜衣と名乗ったその少女は、27歳独身男にいきなり強く命令していたのである。


「・・・」

「どうやねん。お兄さん。」

「・・・」

「なー、黙ってたらわからへんって」

「・・・」

「無視せんといてや」

「・・・」


ハマーはフリーズしていた。

ずっと「ロリ巨乳と結婚したい。ロリ巨乳と結婚したい。」と亡霊のようにトイレで唱え続けるぐらい渇望していた。


そのはずなのに、


目の前の神々しい物体を理解できていなかった。人間っていうのは不思議なもので、いいことでも悪いことでも。想像以上のことが起こってしまうと意識を失ってしまうのだ。


ハマーにとって、いい意味なのか?悪い意味なのか?


たったまま気絶していた。一つ言えることは童⚪︎には刺激が強かったらしい。ダイヤモンド紙おむつ(大人用)を(見た目は幼女パンツ)のおかげで倒れはしなかったが。

倒れはしなかったからこそ、誤解を生む状況に。


猫耳の少女は、無視されたと思っている。普通の17歳女子なら「もう!!」と言って怒るところ。しかし猫耳少女は「やれやれ」と一息。と思わせてから右ストレとで右頬を一撃!見事にクリーンヒット。


無防備な変態男を倒してしまった。まさに「傷口に塩を塗っただけであった。」


「お兄さん、お兄さん!!」


ハマーは夢を見ていた。何か大きな影を追っている。追っているのだが、全く追いつけない。その影は、確かに昔あったことのある者。彼にとって身近な人だったのだ。しかし、その人がどんな人だったのか思い出そうとすると頭に痛みが走る。


「ちょっと待ってよ!。置いてかないでよ」


置いてかれることがものすごく嫌だった。まるで、長年連れ添った妻に先立たれるみたいで。結婚歴のないはずの彼だが、なんとなくそう感じた。


だから、影を追っているのだが追えば追うほど遠ざかる。そして、影は消えかける。

完全に消えてしまう前にこう告げる。


「黒猫に気をつけろ」と。


「えっ、どういうこと!?」


その後、目の前が真っ白になる。


「ま、眩しい!!」


「チュン、チュン」

「あれ、俺は確か。・・・痛てててて。頭がいたい。何も思い出せない。」

だんだん、目が開いてくると。そこには見慣れない猫耳少女の姿が…


肩より少し長くて茶色がかった艶々の髪の毛、時々動くもふもふした猫耳、黒と白のメイド服。胸元の付近がゆったりしているのか、寝たままの状態で谷間がくっきり見える。目は沖縄の海をイメージさせるような緑に近い水色のぱっちりした目。首元のリボンは更に彼女のかわいさを強調していた。しかも正座をしているのがわかった。


一言で言って、すぐにでも子作りするための行為をしたい相手だった。しかし、彼は童⚪︎。そんな行動に出る勇気はない。しかも、目の前には胸にある大きな脂肪の塊があった。よく見ると、ハマーの頭は彼女の膝の上に置かれていた。再び意識を失うだけの条件が揃っていた。フット意識が飛びそうになると…


「おはようございます…というべきかな?ご主人様。やっと起きたんやね。」

か細くも力強い声。ひばりの声をマイクで何十倍にも音量をあげたような声だった。


「・・・・」


彼は微動だにしない。というより動けない。彼は女の子と手を繋いだこともない。そんな男が自分より見るからに若い女の子に膝枕してもらっている。しかも、目の前には超巨大なおっぱい。


金欠な変態男は非日常的な状況を受け入れられずにいた。


「俺に限ってそんなはずはない。こんな可愛い美少女が…」

それから、焦点が定まるようになる。ずっと、彼女のおっぱいを物欲しそうに見つめていた。


「ぐ〜〜〜〜〜〜」


「!!」

彼は自分のお腹の音にびっくりしてしまった。


「お兄さん、お腹空いてたんか。」

「みたいだ。」

「それで、君は誰?」

ほとんど停止寸前の脳みそで絞り出した言葉。


猫耳の美少女は少しほっぺたを膨らませて答えた。


「昨日、自己紹介したやん。忘れたん?」

「うちは黒猫亜衣といいます。一応『妖怪?』いうものになるんかな?」

「あとお兄さん、うちのおっぱい見過ぎやで。残念ながら、うち母乳は出えへんよ。今は…」


なんか含みのある言い方だったが、ハマーにとってはどうでもいい些細なことだった。それより、そんなことを言われると反発せずにはいられない。しかし、さっきから体全体が暑すぎて頭が回らない。なんとか絞り出した絞り出した言葉が。


「べ、別に見てないし。」

「えっ、見てないてか?うち、これでもまあまあ体の手入れはしてるつもりやったんやけどな。」


亜衣はショックを受けた。体には自信があるらしい。ハマーでなければすぐにそういうことになっていたのだろう。


それから、約10分ほどお互いの世界に入っていると。

「あ〜〜〜、痺れてきた。」

「ごめん、ごめん。ずっと膝枕してくれていたんだったな。俺、30分ぐらい寝てたんか?」

「あー、ええよ。年下の男の子を解放するのは年上女の務め見ないなものやで。子供をあやすのと同じやよ。」

「あとそれから、寝てたん30分じゃないねん。24時間と30分やで。」


「!?」


「えっ、俺、そんなにも寝ていたの?」

「やっと、トイレから解放されたと思ったら。寝てたら一緒じゃない。」

意味のなく変態男は落ち込んだ。幼女パンツを履いたまま。上はかろうじて黒のTシャツを着ているが、それが更に変態度をアップさせている。


「ミーンミン」とセミの鳴き声がうるさい。小学校の時、好きな女の子に告白する時の取り巻きの騒ぎ方を彷彿とさせるような鳴き方だった。まるで、幼女パンツを履いた男を馬鹿にしているかのようだった。


「そういえば、昔、好きだった花子ちゃんに告白しようとしたら皆馬鹿にしてきたな。」

「何が、『わー告白だー』だ。キスしちゃえって、そんなんできるわけないだろ!」

少しセミの鳴き声にイラッとしていると。


「なんや、お兄さん眉間に皺寄せて。なんかええことでもあったんか?」

「あと、それからお兄さんが寝ている間に朝ごはん作っといたから顔洗っといで。」

「今日出かけるんやろ?」

「えっ、なんで知ってるの?」

「知ってるも何も、私たち夫婦やろ?」

「夫婦って。そう言えば昨日もおんなじこと言ってたな」

「ご飯の時に教えたるから、はよ洗っといで。お腹が空いては戦がっていうやろ?」


なんか、おかしな格好をした年下女の言うことに従うみたいで癪だったが腹に背は変えられないので仕方なく顔を洗った。


「あっ、お兄さん顔まだふけてへんやんけ。」

「あかんで、うちのご主人様なんやからかっこいいままでおってや!」

「もー、子供じゃないんだから自分でできるんだってば。」


夫婦というより姉と弟のようなやりとりに、空のお日様は微笑ましく笑っている。「幸せそうで何より。」


「とりあえず、そこ座って。コーヒー入れたげるわ!これは、コロンビアから直接輸入してきたやつ。あっこのコーヒー豆は他とは一味違うんやわー。やれ紅茶やとかやれスムージーよりコーヒーが一番落ち着くわ。あと、そっちにトーストとヨーグルトも」


普段の7時は、トイレにこもっている時間帯。8時になっても9時になってもトイレの警備員。というか、成人してからのほとんどをトイレで過ごしている。親とは薄情なものでそんな状況を知っていても仕送りは一切しない。唯一なぜだか毎月オムツ代と称して10万円を送ってくる。


「オムツ代をへつって、生活費に」と考えた事あったはまーだが、オムツ代は余る事なく毎月使い切っていた。それぐらい、常に腹痛との戦いだった。いつもなら、「うー、痛い。」「う、生まれる!」と一人で冷や汗をかきながらもがいていた。


それが、今日はない。しかもゆっくりと朝ごはんを亜衣と食べている。正直、亜衣の素性は怪しい。いきなり年上の独身男に「結婚しなさい」って言ってきたのだった。何か裏があるに違いないと考えてしまうのに無理はなかった。


「それで、亜衣!」

「なんや、ご主人様」

「話してくれるか?」

「うちの3サイズか?もう恥ずかしいなー。でも、ご主人様になら教えてもいいかな?」

「違う!」

「いや、それも知りたいがそうじゃない!」

「それ以上となると、うちが処女かどうかか?残念ながらうち処女ちゃうねんごめんな。今年で120歳なるねん。」

「そうか120歳か。」

「えっ、120歳!?」

「うちな、もともと伊賀忍者やった里で育ったんやけど、悪い甲賀忍者に騙されてな。それで、昨日まで、今お兄さんが履いてる紙おむつに封印されとってん。」

「そうなのか?」

「うちの姿自体は先祖返り?言うの?」

「うちの家系って大昔に猫の妖怪と交わった先祖さんがおってん。」

「その血が色こく出たのがうちってわけ。」

「でもな、同じ伊賀の里の人で昔からうちら家族のことをよく思ってないご近所さんがおってん。」

「それでその人に騙されて、この紙おむつに封印されとってん。」

「っていうか、そんな時代に紙おむつって存在してたのかよ。しかも結構大きかったし。」

「意外と伊賀って発明家多いねん。たとえば、そこにキッチンに置いているカップラーメン。実はうちの甥っ子があの会社の社長さんに提案したものやねん。」

「『これからは手軽に料理を楽しめる文化が必要だ』ってな感じで。」

「えっ、そうだったの?」

「その時ってお前封印中だったんじゃないのかよ」

「そやで。でもな、封印されていても外の情報は入ってきててんよ。今は企業秘密やけどな。」

「まあ、それはいいとして。なんで、俺と結婚に繋がるんだよ。」

「そんなん、一目惚れしたからに決まっとるやんけ。」

「呪いのせいとかじゃないの?」


ハマーは目をパチパチさせながら亜衣の話に耳を傾けた。


「全く影響がないわけではないけど、うちの一目惚れや」

「じゃあ、俺のどこに惚れたんだよ!」

「それは、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロンング砲やよ。いや、恥ずかしい!!」


「?」

「どう言うこと?」

ハマーには全く分からなかった。それが日本語なのかどうかすら分からない。

「アーム外ロング?2回言わなかった。」

「だから、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロンング砲やよ!」

「いや、俺、そんな武器は持ってないよ」

「なんや、ご主人様ぁ。うちにそんな恥ずかしいこといわすんかいな。可愛い見た目に反してどSやわぁ。」

「だからなんだよ。そのネオアーム何ちゃらって」


「⚪︎⚪︎⚪︎よ!」

「何、⚪︎⚪︎⚪︎だと!?」


「お兄さん、昨日の朝その可愛いパンツ履いたやろ?」

「可愛いパンツ言うな。」

「はいた直後な、うちまだそのパンツの中にいててん。」

「で、お兄さんの物の感触楽しんでたのよ」

「いやー、ちっこくて可愛い。これ、興奮させたらどれだけ大きくできるんやろ?って。」

「だから、お兄さん、もといご主人様と結婚したいなーって思てん。」


亜衣も変態だった。正直、悍ましいとすら思ったハマー。こんな女と結婚したら破滅しか考えられない。


「朝ごはん作ってもらっていて、申し訳ないが早々に出ていってもらおう。大丈夫。こんだけ可愛いからなんとでもなるだろう。」と思っていると。

それを察知したのかいつの間にか亜衣が目の前に…


上目遣いでハマーの目を見つめてきた。まるでサファイアをイメージさせるような綺麗でくりくりっとした目でハマーを見つめていた。


「ご主人様。ウチじゃダメ」

「・・・」


速攻で「ダメです」と言いたいが、口が動いてくれない。


「うち、ご主人いないと生きていかれへんねん。」

さっきより、唇の潤いが増している気がする。

「・・・」

「ねぇってば、ご主人様。」


ついに、胸まで押しつけてきた。


それでも、この女は厄介ごとの匂いしかしない。このまま一緒にいると不幸になるともまでは言わないがめんどくさいことになることは間違いない。


「ご、ごめ…」

「なぁ、ご主人様…」

ついにハマーの手まで握り始めた。

「うちな、意外と寂しがりややねん。」


「もう、わかったよー。好きにすればいいだろ!」

「ありがとうご主人様、絶対言ってくれると信じてたよ!」

「お前、あれわざとやってたのかよ!」

「何を?」

「何をって。もう!」

「あっ、ご主人様なんか固くなってる。」

「そこばかり見るな!」


見た目だけは可愛い猫耳少女と幼女パンツの変態紳士とのちょっとえっちで楽しい共同生活が始まった。


今までの状況はどんなに悪くても、あることをきっかけに最高の状況になることがある。それがいつ起こるか分からない。だから「夢を持ち続けること」が大切である。ハマーも結婚願望を持ち続けられたからこそ亜衣という少女と出会うことになった。


たとえば、「俺、結婚しないし。」と言っている男性に限って同窓会などで会うと

「俺、この前結婚したんだ。今年の6月に子供も生まれる。」結婚以上のことをしているのだ。いわゆる授かりこん。


いつどこで、運命が変わるか分からない。だから、これからも「夢をあきらめずに」前を向いて歩いていこう。


そう心に誓う主人公はマーであった。




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