第16話 テルースと週末デート
今日は、他国の魔法学院の見学だ。しかも、テルースと一緒。
今日の夕方から出発。ミナート王国の都市ジンで、テルースと一緒に1泊を過ごす。出発の夕方まで、まだ、時間がある、でも、忙しくなりそう。
ホテルで着る服を買っておかなくては、それに、着て寝るネグリジェも買わなくては、色々買わなくてはいけない物ばかり。私は、街に出て、店を見て回ったわ。時間は掛かったけど、思っている物が手に入って、嬉しかった。
夕方になって、魔法学院の玄関前に馬車が止まった。多分あれに乗って行くのね。
下で、私を呼んでいるみたい。急いで、荷物を持って、玄関先に降りて行ったの。そしたら、玄関先に、テルースがいたのよ。
やった、テルースと一緒に馬車に乗れる。
浮かれていたのに、あの悪魔も一緒だった。エイコが引率教師だなんて、知らなかった。でも、テルースと一緒だから、我慢できるわ。
馬車の中は広く、私達5人でも、余裕で乗れた。そして、ついに、テルースの横に座れる。
「あぁ、テルース、よろしくね」
何とか、普通に挨拶が出来た。テルースの横に座らなければ、すこし、焦っていた。気が付くと、いつの間にかピアがいた。しかも、テルースの横に座っている。
「カル、オリエ、よろしく」
「ピア、元気?私は、ユイカと言います。よろしくお願いいたします」
「私は、カル、よろしく」
「私は、オリエと言います。よろしくお願いいたします」
私は、何とか、ピアの反対側のテルースの横に座った。ほっとしたら、馬車が走り出した。
「キャー」
私は、はしたない声を出して、テルースの方に倒れてしまったの。そしたら、テルースが私を受け止めてくれたの。そして、私を抱きしめてくれた。
わーぃ、テルースに抱かれている。
「大丈夫?ユイカ、けがはない?」
「えぇ、大丈夫よ。馬車が急に走り出したので、少し驚いただけよ」
「そうか。それならいいよ」
私は、普通に座り直した。テルースも、私を抱いていた腕を元に戻している。
「テルースは、ミナート王国は初めて?」
「僕は、何回か行ったよ。でも、余りいい思い出はないね」
「そうなんだ。私は、初めて。だから、今から、ワクワクしているの」
「そうか。初めてか。それなら、僕が街を案内するよ。今日は、夕食後、自由時間だから、その時に、街にでも、出かけようか」
「テルース、いいの。私に付き合って貰って」
「僕も、ユイカと一緒なら、楽しいから」
「それじゃ、夕食後に。楽しみだわ」
「僕も、楽しみ」
私は、テルースの腕に自分の腕を絡めて、テルースを自分の方に、引き寄せた。
すると、ピアが反対側から、テルースを引き戻している。私は、ピアには負けないわ。
馬車が揺れる度に、テルースにくっ付く。そのたびに、私の心臓も飛び跳ねているようだわ。このまま、揺られていたい。
でも、マナーと王国の都市ジンは、とても近く、あっという間についてしまったの。皆は、馬車を下りて、それぞれに部屋に荷物を置きに行ったわ。
嫌なエイコから、鍵を受け取って、私も、自分の部屋に入ったわ。今回は、皆、一人部屋で、とても豪勢な部屋になっているの。学生の身分の私達に、こんな部屋を割り当てて、大丈夫なのかなぁ?
私は、こっそり、テルースの部屋番号を確認しておいたわ。すぐにでも、行ける様にね。
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