第14話 エイコの部屋で

 私は、エイコの部屋に入って入った。本当は、来たくなかったけど。テルースの為に、我慢することにした。


 「エイコ、私よ。入るよ」


 エイコは、机に向かって何か、書類を書いていた。


 「あら、どうしたの?何か、用かしら」


 「さっきの授業では、ごめんなさい」


 「何を誤っているの?ユイカは、何かしたのかしら?」


 エイコは、書類を片付けて、私を睨んだ。


 「何もしていないけど、エイコが授業の途中で、出て行ったから」


 「あれで、終わりよ。だから、出て行っただけよ」


 「本当に、あれで、授業は終わりだったの」


 「そうよ。授業の目的は、果たせたからね」


 エイコは、不気味に笑った。目的って何、それに果たせたって、どういうこと?


 「でも、やっぱり、変な終わり方だったよ」


 「そうね。だったら、ここで、授業の続きをしましょうか?ユイカに特別授業をしてもいいわよ。久しぶりね。2人きりって」


 エイコは、私の方に、近づいてきた。


 「いえ、いいです。失礼します」


 私は、エイコの方を振り向きもせずに、ドアを開けて、飛び出してた。


 たった、これだけなのに、息があがっている。心臓が、バクバクいっている。


 私は、すぐにでも、ここを離れたかった。そして、少し落ち着きたかった。それで、ゆっくりと、食堂に行くことにしたの。そこで、お茶でも飲んで、この気持ちを落ち着かせたいと思ったの。


 私が食堂に入ると、テルースが席に座っているのがすぐに、目に入って来た。でも、カルとオリエも一緒にいる。どうして、仲良くしているの。私一人が、嫌な思いをしているのに、どうして、3人は、仲良く、お茶を飲んで、話をしているの。


 どうしてか、分からないけど、私は、隅の席に隠れる様に座ってしまった。テルースの笑顔が見て居られない。どうしたのかしら?


 暫くして、テルースが私に気が付いたようだ。大きく手を振って、叫んでいる。


 「ユイカ、ここにいるよ。こっちにおいでよ」


 皆に聞こえる様に、大きな声で叫び、立ちながら、手を振っている。恥ずかしい。また、頬が火照って来た。もう、だめ。でも、テルースの傍に行きたい。また、さっきみたいに、抱かれたい。頭を撫でて貰いたい。あの目で、見つめられたい。私の妄想は、留まるところがないようだわ。


 「あら、此処に居たの。気が付かなかったわ」

 

 「ピアが、お腹が空いたって、それで、先に来てしまったよ」


 「いいのよ。気にしなくても」


 「それじゃ、一緒に食べよう。あぁ、こちらは、カルとオリエだよ。前に言っていた全属性の2人だよ」


 「カル、オリエ、初めまして。ユイカと言います」


 私は、テルースの横に座って、自分の身体をテルースに押し付けた。もう、離れない。

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