第13話 光魔法の効果

 私は、気を取り直して、テルースの目を見つめながら、癒し始めたの。テルースも私の目を見つめながら、光魔法で癒し始めたわ。


 お互いの癒しの光が相互作用しているように、癒しの光が大きく広がっていく。気が付くと、部屋全体に癒しの光が広がっていた。太陽の光を浴びているように、だんだんと温かくなってきた。


 癒しの効果が、私とテルースの身体を温めているようで、テルースの顔がほんのりと赤くなってきたの。それと共に、私の顔も、温かくなって、ほてって来たのがわかるの。


 テルースが、じっと、私の目を見つめている。私の顔がどんどんと赤くなってきている。癒しの効果が効きすぎているのか、それとも。


 「テルース、もうだめ」


 私は、テルースの胸に顔を埋めながら、抱きしめてた。すると、もう、耐えられないほど、ほほがほてって来たわ。まるで、強いお酒を飲んで、酔ったみたいな感じ。すると、テルースが心配して、聞いてきた。


 「どうしたの?どこか、調子が悪いの?」


 テルースは、私に抱きしめられながら、やさしく、頭を撫でてくれたの。そして、耳元で、囁くの。


 「大丈夫だよ。何も、心配はいらないよ」


 「少し、このままで居させて」


 私は、テルースにお願いした。テルースに抱かれながら、この時間が永遠に続くことを願ったの。


 「いいよ。落ち着くまで、好きなだけ、こうしているよ」


 テルースの優しい言葉が、私を幸せにしてくれる。私は、幸せだ。


 ふと、エイコの顔が見えた。あの顔は、どういう意味?さも、勝ち誇ったような、私を蔑んだ様な顔。


 「テルース、ユイカの面倒を見てあげてね」


 エイコがテルースに、優しく甘い声を掛けて、教室を出て行った。


 テルースは、困惑したような顔を私に向けた。でも、私は、どうすることもできずに、そのまま、暫く、じっとしていた。そして、テルースの顔を上げながら、声を掛けた。


 「テルース、もう大丈夫よ」


 「そうか。良かった。どうも、授業は、終わってしまったようだね」


 「後で、エイコ先生に謝っておくね」


 「僕も、一緒に行くよ」


 「だめよ。私一人で行くからね」


 「分かった。ユイカに任せるよ」


 私は、教室を出て、エイコを追い掛けて行った。そして、エイコの部屋に入っていった。

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