第4話 魔法学院の入学試験
やっと、エイコから、解放されるわ。私が受験する魔法学院は全寮制で、入学した生徒は、寮で3年間生活することになっているの。
これで、家での嫌な家庭教師との時間を持つ必要がなくなるわ。私は、嬉しさで一杯だったの。この試験さえ、合格すれば、また、一人だけの時間が持てるのだわ。
私は、試験を頑張った、出来るだけ丁寧に、ミスの無いように初級魔法を起動していったわ。試験監督の先生は、びっくりしていたわ。全属性を持っているだけでなく、魔法の細部にわたって、精密に起動して、発動していく生徒は、初めてだって。
私は、また、自信を取り戻した。エイコのマリオネットではない、自分の存在を感じていたの。私には、魔法しか残っていないのだわ。
実技試験が終わった後、面接試験が行われると連絡があった。私は、係の先生に連れられて、誰もいない教室で、待っているように言われた。
暫くすると、別の生徒が私と同じように、係の先生に連れられて教室に入って来た。全部で、15人ぐらいになった時に、係の先生が全員の前に立って、説明を始めた。
「これから、面接試験を行います。入学試験は、実技試験で、終わっています。これから行う試験は、入学後に特別入学生として、扱うかどうかを判断する物です。ですから、気楽に受験してください」
私は、特別入学生と言うものを聞いていなかった。でも、もう合格と言ってくれたので、安心だわ。これで、この寮での生活が始まるのね。
これからが、本当の私の生活が始まるのだわ。あの悪魔のようなエイコと過ごした出来事は、悪い夢と思って忘れよう。
面接試験は、すぐに終わった。私は、首席合格だと、学院長のゴールドから、言われた。そして、今回の面接の上位10名は、1人部屋で生活できるらしい。だから、私も1人部屋で、生活できると言われた。
これから、部屋を案内すると言われたので、係の先生と一緒に寮の部屋を見に行った。
「もう、合格していますので、この魔法学院のすべての施設は利用可能です。ですから、この寮に泊まることも、できます。それから、この魔法学院の食堂は24時間営業しています。そして、この魔法学院では、入学生の皆さんは、すべて、無料です」
「凄い、今日から、泊ってもいいんだわ」
「先生、今日から、泊まりたいです。何か、手続きは、要りますか?」
「鍵と、学生証を受け取ってください。魔法学院の事務室で受験票を提示すれば貰えます。それから、鍵と学生証は、無くさないよう、大事に保管してくださいね」
「はい、わかりました」
私は、特に持ってきたい荷物もないので、今日から、寮で、生活することに決めた。
事務室によって、学生証と鍵を受けとって、食堂で夕食を食べた。そして、自分だけの部屋に入って行った。
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