第3話 夕食と夜の営み(健全)

「夕食はどうする?」


「そうだな。」


 料理をする。そんな具材はあったっけと思い返す。


「私が作りますよ。リクエストはあります?」


「千紗に作らせるのは申し訳ないよ。僕が作るよ。」


「いいえ。私が作りますわ。腕に不安があるなら安心してください。ちゃんと自炊してるんですから。証拠の写真を見せましょう。」


「いや。腕に不安があるわけじゃないから。じゃあ、一緒に作ろう。」


「一緒に...。い、いいですね。そうしましょう。」


「そ、そうだな。で、でも、具材があまりないか、から、確認しに行こう。」


「わ、わかったわ。」



〜〜〜〜〜



「ほ、本当に全然ないのね。」


「な、なんかすまん。」


 冷蔵庫の中にはあまりにも具材がなかった。卵や豆腐、ソーセージ。野菜はにんじんと大根、玉ねぎ。あとは調味料くらいだ。本当にない。冷凍食品ならたくさんあるけれど。


「ちょっと他にないか探してみるよ。」


 そして、棚の中を探したが、缶詰くらいしかなかった。麺はない。とんでもない状況だと思った。


「やっぱり、この具材で作れるのはオムライスとかじゃない?」


「お、オムライス!?」


 こんな時で食べることになるとは思っていなかった料理名が出てきて、とても驚いていた。


「い、一緒に料理できるわよね。」


「た、多分?」


 ライスと卵という分担方法に多少は疑問を持ったもののそのまま始める前に米を炊き、小説を読んで楽しんだ。紙で買っててよかった。


「じゃあ、作り始めましょう。ふわっふわにしてあげるからね。」


「おお。じゃ、じゃあ期待しておくよ。」


「なら、先に作り始めてね。卵は時間かからないから。」


「んー。わかったよ。」


「なに?手伝ってあげたほうがいい?」


「千紗、突然積極的な感じになってどうした。大丈夫か。」


「大丈夫よ!」


「ならよかった。少なくとも料理中はやめてくれ。危ないから。」


「わかったよ。じゃあ、早くしてよな。」


「わかってるよ。」



〜〜〜〜〜



「よし、じゃあ代わろう。ふわっふわの卵を作るからね。」


「おお、もちろん期待してるよ。」


 オムライスは柔らかくてふわっふわなのが好きだ。千紗はどうなんだろう。


「千紗って、オムライスの固さは...」


「もちろん、ふわふわなのがいいよ。そのために極めたんだからね。」


 そりゃそうか。作り方も見てないもんな。ふわふわなのがやっぱり1番。異論は、まあ、認めよう。


「やっぱり、ラップとか使わずにふわふわの卵を作れるのすごいわ。明日がこんなんじゃなかったら教えてもらってたな。」


「そうね。まあ、気にしちゃだめ。少しでも楽しまなきゃ。」


「そうだよな。」


そんなこんなでオムライスは完成した。


「「いただきます!」」


 そして、卵に切り込みを入れていき、開かれた。そして、とてもふわトロな卵が現れ、とても美味しそうに見え。つい、1口目が口に運ばれていった。


「ん〜!最、高...。」


「そ、そう。」


「そうだよ。このふわっとした卵が食感をとてもよくしているだけでなく、トロっとしたところが米との相性をさらに引き立て、」


「ストップ、ストップ。」


「何だよ。」


「流石にそんなに早口で言われると恥ずかしい。」


「だって、こんなふわトロなオムライスを食べたことないもん。」


「そ、そうかしら?」


「そうだよ。オムライス専門店とかならあるかもしれないけどさ。流石にそんなところにまで食べにいったことはないから。」


「そんなことはないんじゃないかしら。」


「そうかもしれないけどさ。」


 そう会話しているうちにもオムライスを口に運び続けている。


 カッ


 そんな甲高い音も響き渡った。


「あれ、もうないの。」


「食べるの早過ぎじゃない?」


「そ、そうかな。」


「仕方ないわね。そ、その。あーん。」


「えっ、あ、あーん。」


「ど、どうよ。」


「ちょ、ちょっと恥ずかしかったけど、ありがと。」


 そんなことで夕食を終えていった。



〜〜〜〜〜



「一緒に寝ましょうよ!」


 風呂は特に何もなかったが、今、僕が床で寝袋で寝ようとすると止められている。


「別にいいじゃないか。」


 正直、同じベッドで寝るのは流石にね。付き合って早々だよ。


「ん〜〜。何でよ!」


「そんな狭い場所で寝るのはちょっと...。あと、騒がしくしないで。」


「それはごめんなさい。でも、一緒に寝るってことすら認めてくれないのは酷い!」


「まあ、落ち着いて。」


「何でそんな扱い方なのよ。ひどいわよ。」


 そして、泣き始めた。


「千紗、ごめん。一緒に寝てやるからさ。泣き止んでくれよ。」


「ぐすん。わかった。」


 そして、寝袋を片付けて、一緒のベッドで寝始め、られるわけがなかった。

 早々に抱きついてきて、すごいドキドキしているからだ。

 それでも、時間的に睡魔はやってきて、寝ていった。

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