第42話 祖父が他界
祖父は、それから2週間後に亡くなった。
祖母は寂しいお葬式だったが、祖父のお葬式は質素だった。
B葬儀社で出棺を終えて斎場に行った。
お骨あげまでの時間が、途方もなく長く感じた。
母と私で見送った。
4日後、私の家まで母が迎えに来た。
「市役所に行くから」
玄関で待っていると10分程で車が着いて母が言った。
すぐに出発した。
「死亡届を出してきて」
母の言うとおり、市役所で手続きした。
「じいさんの戸籍謄本には、あなたの名前がずっと載るから」
「あっ、そう」
母の言葉がもうどうでもよくなったので、それ以上何も言わなかった。
年が明けて、お正月は父とふたりだった。
お互い何の用意もなく、普段と同じように過ごした。
分家の人たちも一人も来なかった。
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